神道の墓「奥都城・奥津城」とは

神道の墓「奥都城・奥津城」とは

神道の墓の呼び方

日本では古くから、亡くなった方を弔い、その魂を偲ぶために様々な儀式や風習が大切にされてきました。そして、亡くなった方が眠る場所、またその魂が鎮まるとされる場所にも、それぞれ異なる意味合いが込められています。

仏教では、亡くなった方の魂は「浄土」と呼ばれる世界へ旅立ち、そこで安らかに過ごすとされています。そして、その方が生前に過ごした証として、遺骨を納めた場所を「お墓」と呼びます。「お墓」は、故人が眠る場所として、遺族が訪れ、手を合わせ、語りかけ、花や線香を供えて故人を偲ぶ場となります。

一方、神道の考え方では、人の魂は肉体から離れた後も存在し続け、「祖霊」となって子孫を見守り、幸福へと導いてくれると考えられています。そして、その「祖霊」を祀る神聖な場所として、「奥都城」または「奥津城」と呼ばれる場所が設けられます。

「奥都城」と「奥津城」はどちらも同じ意味合いで用いられ、そこには故人の遺骨が納められています。この場所は、単に遺骨を納める場所としてではなく、子孫が「祖霊」と繋がり、その加護と導きを祈るための大切な場所として大切にされています。

このように、仏教の「お墓」と神道の「奥都城」「奥津城」は、その呼び名だけでなく、その場所に込められた意味合いも異なっているのです。

奥都城と奥津城の違い

「奥都城」と「奥津城」、どちらもあまり耳にする機会が少ない言葉かもしれません。どちらも神道の教えに基づいたお墓を指す言葉ですが、本来は明確な違いがあります。

神道において、海や川、湖、池といった水は、生命の源であり、神聖なものであると考えられています。そのため、これらの水辺に近い場所に築かれたお墓を「奥津城」と呼びます。「津」という字には、水辺を表す意味があるからです。

一方、水辺から離れた場所に築かれたお墓は「奥都城」と呼びます。「都」という字には、人が多く集まる場所という意味があり、そこから転じて、神様のいらっしゃる場所、すなわちお墓を指すようになったと言われています。

しかしながら、近年では、この二つの言葉の区別は曖昧になりつつあります。どちらの言葉も、神道のお墓という意味で使われることが多くなっています。これは、現代社会において、水辺の近くにお墓を建てることが難しくなってきたことや、人々の間で、厳密な区別をする必要性が薄れてきたことが背景にあると考えられます。

墓石の形状の違い

お墓をじっくりと眺めたことはありますか？一口に墓石と言っても、その形は様々です。特に、仏教式の墓石と、神道の「奥都城（おくつき）」や「奥津城（おくつしろ）」と呼ばれる墓石を比べてみると、興味深い違いに気付くでしょう。

仏教では、お墓の一番上がドーム状に丸みを帯びている形が一般的です。これは「卵」を模しており、亡くなった方の魂が再びこの世に生まれ変わることを象徴していると言われています。

一方、「奥都城・奥津城」は「トキン型」と呼ばれる、先端が尖った独特の形をしています。この形は、神道の祖霊信仰において、祖霊が子孫のもとへスムーズに行き来できるようにとの願いが込められていると言われています。まるで、天と地を繋ぐアンテナのような役割を果たしているかのようです。

このように、墓石の形には、それぞれの宗教や文化に基づいた深い意味が込められています。お墓参りの際には、墓石の形にも目を向けてみると、先祖代々への想いをより一層感じることができるかもしれません。

奥都城・奥津城の建立

– 奥都城・奥津城の建立

「奥都城」「奥津城」は、仏教式の墓石とは異なる様式や考え方に基づいて建てられるため、その建立には専門的な知識や技術が欠かせません。例えば、使用する石材や加工方法、配置、彫刻、さらには建立場所の選定に至るまで、伝統的な作法や慣習を深く理解している必要があります。

美郷石材では、長年にわたり数多くの「奥都城」「奥津城」の建立に携わってまいりました。その過程で培ってきた豊富な経験と確かな技術力をもとに、お客様一人ひとりのご要望を丁寧にお伺いし、ご先祖様への想いが込められた、風格ある「奥都城」「奥津城」をご提案いたします。

石材選びから設計、施工、アフターフォローまで、全ての工程を責任を持って承りますので、安心してご相談ください。お客様の大切な想いを形にするお手伝いをさせていただきます。

まとめ

今回は、神道の墓である「奥都城・奥津城」について、仏教式の墓とは異なる点を中心に詳しく解説してまいりました。
初めて耳にする言葉や風習もあったかもしれません。
「奥都城・奥津城」は、単なる亡くなった方を埋葬する場所ではなく、祖霊を祀る神聖な場所です。
そのため、建立にあたっては、専門家の意見を聞きながら、その土地や家系に合った方法を検討し、慎重に進めていくことが大切です。
「奥都城・奥津城」の建立を検討されている方は、ぜひ一度、美郷石材にご相談ください。専門のスタッフが、皆様のご質問やご相談に丁寧に対応させていただきます。