お墓のカロートって?
葬儀と墓石を知りたい
先生、墓石のカロートってなんですか?お墓参りに行った時に聞いた言葉なんですが、よく分からなくて。
葬儀と墓石の研究家
なるほどね。カロートは、お墓の中にあって、遺骨を納めるための部屋のような場所のことだよ。昔は土葬が普通で、カロートはあまり使われていなかったんだけど、火葬が広まったことで、カロートを使うお墓が増えたんだ。
葬儀と墓石を知りたい
そうなんですね。火葬が増えたからカロートを使うようになったんですか。でも、どうしてカロートを使うようになったんですか?
葬儀と墓石の研究家
火葬だと、土葬に比べて遺骨の量が少なくなるよね。だから、そのまま土に埋めるのではなく、カロートに納めることで、より丁寧に遺骨を保管することができるんだよ。
墓石のカロートとは。
お墓で使われる言葉に「墓石のカロート」というものがあります。「カロート」は「納骨棺」とも言いますが、これは墓石の中に遺骨を納めるための場所のことです。元々は「唐櫃(からうと)」という言葉が使われていましたが、それがなまって「カロート」と呼ばれるようになりました。 戦前は土葬がほとんどで、火葬する習慣がなかったため、カロートもあまり多くありませんでした。火葬は中国から伝わってきたもので、それに伴い、遺骨を埋葬する方法としてカロートを使うことが広まりました。
カロートの役割
お墓参りに行くと、お墓の前に四角い石蓋が置かれているのを目にしますよね。この石蓋は、大切な役割を持つカロートと呼ばれる空間を覆うために設置されています。カロートは、別名「納骨棺」とも呼ばれ、故人の遺骨を納め、雨風や土から守るという重要な役割を担っています。
カロートは、土中深くに設置されるため、土の重さや雨水から遺骨を守ることができます。また、カロート内部は、湿気がこもらないよう通気口が設けられていることが多く、遺骨を良好な状態で保管することができます。
カロートの素材は、石やコンクリートなどが一般的です。石は耐久性に優れ、長期間にわたって遺骨を守ることができます。一方、コンクリートは、石に比べて安価で、加工しやすいというメリットがあります。
カロートの大きさは、納骨する人数や遺骨の大きさによって異なります。一般的には、夫婦で納骨できる程度の大きさが選ばれます。
カロートは、故人を偲び、弔うための大切な場所です。カロートの存在を知ることで、お墓参りの際に、より一層故人を身近に感じることができるかもしれません。
項目 | 内容 |
---|---|
別称 | 納骨棺 |
役割 | 故人の遺骨を納め、雨風や土から守る |
メリット | – 土の重さや雨水から遺骨を守る – 湿気がこもらないよう通気口が設けられていることが多い |
素材 | – 石:耐久性に優れ、長期間にわたって遺骨を守る – コンクリート:石に比べて安価で、加工しやすい |
大きさ | 納骨する人数や遺骨の大きさによって異なる(一般的には夫婦で納骨できる程度の大きさが選ばれる) |
カロートの語源
お墓に納骨する際に納棺された故人を入れる、あの四角い空間。多くの方が「カロート」と呼んでいるのではないでしょうか。
実はこの「カロート」という言葉、もともとは「唐櫃(からうと)」と書いていたものが変化して生まれた言葉なのです。 唐櫃とは、中国から伝わった棺桶のことを指します。当時、中国から伝わってきた文化や品物には「唐」の文字をつけて呼ぶことが多く見られました。
時代が進むにつれて、「からうと」と発音することが「カロート」と変化し、さらには納骨棺そのものを指す言葉から、現在のように納骨棺を納める空間全体を指す言葉へと変化していきました。
このように、何気なく使っている言葉の中にも、昔の文化や歴史が隠されていることがあります。お墓参りの際に、カロートの語源に思いを馳せてみるのも良いかもしれません。
言葉 | 由来 | 意味の変遷 |
---|---|---|
カロート | 唐櫃(からうと) | 中国から伝わった棺桶 → 納骨棺 → 納骨棺を納める空間全体 |
火葬の普及とカロート
かつて日本では、亡くなった方を土に直接埋葬する土葬が一般的でした。そのため、遺骨を納めるためのカロートは、現在ほど広くは用いられていませんでした。しかし、時代は流れ、戦後になると状況は大きく変化します。火葬が急速に普及し始めたのです。
火葬は、土葬と比べて埋葬に必要なスペースが格段に少ないという大きな利点がありました。この利点は、都市化が進み、墓地不足が深刻化していた戦後の日本において、まさにうってつけだったと言えるでしょう。人々は、限られた土地でも故人を偲ぶ場所を確保できる火葬を選択するようになりました。
こうして火葬が主流となるにつれて、火葬後の遺骨を納めるためのカロートもまた、必要不可欠なものとして普及していくことになりました。カロートは、土葬墓に比べてコンパクトに作ることができ、墓石の下に設置することが一般的です。そのため、都市部など限られたスペースでも設置しやすく、火葬の普及を支える重要な役割を担っています。
現代では、火葬とカロートは、日本の葬送文化において欠かせないものとなっています。
時代 | 埋葬方法 | カロート | 背景 |
---|---|---|---|
戦前 | 土葬 | あまり普及していない | – |
戦後 | 火葬 | 普及 | ・都市化による墓地不足 ・火葬は土葬に比べ埋葬スペースが少なくて済む |
カロートの種類
お墓を選ぶ際に、目にする機会は少ないかもしれませんが、カロート選びも大切な要素の一つです。カロートとは、ご遺骨を納めた棺を安置するお墓の内部にある空間のことを指します。
カロートには、大きく分けて「土壙カロート」と「地上カロート」の2種類があります。
「土壙カロート」は、古くから伝わる伝統的な方法で、地面を掘り下げてカロートを作る形式です。一方、「地上カロート」は、近年増加傾向にある形式で、地面の上にカロートを構築します。
それぞれに特徴があり、「土壙カロート」は、自然に還るという考え方に基づいた、古くからある形式です。しかし、近年増加している「地上カロート」は、水はけが良く、湿気の影響を受けにくいという利点があります。また、お参りの際に腰を曲げなくて済むため、高齢の方でも安心してお参りできるという点も支持を集めています。
近年では、都市部を中心に墓地の不足や、お墓の管理を負担に感じる人が増えていることから、地上カロートの人気が高まっています。地上カロートは、従来の土壙カロートに比べて費用は高くなる傾向にありますが、その利便性の高さから、今後も需要はますます高まっていくと予想されます。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
土壙カロート | 地面を掘り下げてカロートを作る伝統的な方法 | 自然に還るという考え方に基づいている | 水はけが悪く、湿気の影響を受けやすい。お参りの際に腰を曲げる必要があるため、高齢の方には負担が大きい。 |
地上カロート | 地面の上にカロートを構築する新しい方法 | 水はけが良く、湿気の影響を受けにくい。お参りの際に腰を曲げなくて済むため、高齢の方でも安心。 | 費用が高くなる傾向がある。 |
カロートの今後
– カロートの今後
-# カロートの役割
近年、日本では少子高齢化や核家族化が進み、家族構成やライフスタイルが多様化しています。 これに伴い、お墓に対する考え方や価値観も変化し、従来の家族墓地に代わって、永代供養墓や樹木葬、散骨など、さまざまな埋葬方法が選ばれるようになってきました。
永代供養墓は、寺院や霊園が永代にわたって供養と管理を行うため、後継ぎがいない方や子供に負担をかけたくない方に人気です。また、樹木葬は、墓石の代わりに樹木を植えて故人を弔う方法で、自然に囲まれた環境で眠りたいという方に選ばれています。
このように、埋葬の方法は多様化していますが、カロートは、どのような埋葬方法においても、故人の遺骨を大切に納める場所として、重要な役割を担っています。 カロートは、土中や納骨堂などに設けられた納骨スペースのことで、遺骨を安置し、風雨や土壌から守る役割を果たします。
時代の変化とともに、お墓の形態や埋葬方法は変化していく可能性がありますが、故人を偲び、遺骨を大切にしたいという気持ちは、今後も変わることはないでしょう。 カロートは、そのような人々の想いを形にする、大切な場所であり続けるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
背景 | – 少子高齢化、核家族化 – ライフスタイルの多様化 – お墓に対する価値観の変化 |
埋葬方法の変化 | – 従来:家族墓地 – 現在:永代供養墓、樹木葬、散骨など |
カロートの重要性 | – どんな埋葬方法でも遺骨を納める場所として重要 |
カロートの役割 | – 遺骨を安置 – 風雨や土壌から遺骨を守る |