お墓の顔！竿石の種類と役割

お墓の顔！竿石の種類と役割

お墓の一番上、竿石とは？

お墓参りに訪れると、個性豊かな様々な形のお墓に目を奪われますよね。その中でもひときわ目を引く、お墓の一番上にどっしりと構える石、それが「竿石」です。「〇〇家」といった家名や家紋が丁寧に刻まれた竿石は、まさに「お墓の顔」と呼ぶにふさわしい存在感を放ちます。

竿石は、単なる石ではありません。ご家族の想いや歴史を未来へと語り継ぐ、大切な役割を担っています。竿石の形は、地域や時代の流れ、さらにはご家族の好みによって実に様々です。伝統的な和型墓石では、三角形や五輪塔型など、古くから受け継がれてきた荘厳な形が選ばれることが多いでしょう。一方、近年人気が高まっている洋型墓石では、横長のシンプルな形や、故人の個性を表現した自由なデザインの竿石も見られます。

そして、竿石のもう一つの魅力は、そこに施された繊細な彫刻です。家紋や家名はもとより、故人の好きな言葉や詩、美しい花などが丁寧に彫り込まれることで、竿石は唯一無二の芸術作品へと昇華します。竿石は、ご家族の想いと歴史を刻む、お墓の顔となる重要な部分なのです。

竿石の大きさ

お墓を建立する際に、墓石の大きさやデザインは故人を偲ぶ上で大切な要素となります。中でも竿石は墓石の中心に位置し、故人の名前や戒名を刻む重要な部分です。

竿石の大きさは、お墓の種類や設置場所の広さによって異なってきます。一般的に、和型墓石では高さ7寸から8寸（約21cmから24cm）程度の竿石が多く用いられます。竿石は、土台となる芝台、中台、上台の上に設置されるため、これらの台石の高さも考慮しながら、全体のバランスを調整することが重要です。

竿石の幅や奥行きも、全体のバランスを見ながら決定します。墓石のデザインや彫刻する文字数によっても最適な大きさは変わるため、石材店とよく相談することをお勧めします。近年では、従来の和型墓石だけでなく、洋型墓石やデザイン墓石など、多様な形式のお墓も見られるようになりました。それぞれの形式やデザインによって竿石の大きさや形状も変化するため、故人の人柄や希望に合ったお墓作りをすることが大切です。

竿石の種類

お墓を建立する際、墓石のデザインや形状と同じくらい重要なのが、墓標としての役割を担う竿石選びです。竿石は、故人の名前や没年月日、戒名などが刻まれ、お墓参りの際に手を合わせる対象となる大切なものです。

竿石は大きく分けて和型と洋型の二つに分類されます。和型の竿石は、伝統的な縦長の形状で、角柱や六角柱、円柱などが一般的です。材質も、国内で古くから墓石に使用されてきた御影石や安山岩などが多く用いられます。一方、洋型の竿石は、横長の形状が主流です。これは、欧米で普及している横長の墓石のデザインに合わせたもので、近年日本でも人気が高まっています。

竿石のデザインは、シンプルなものから、家紋や花柄などの装飾が施されたものまで実に様々です。最近では、故人の趣味や個性を表現したオリジナルデザインの竿石を希望される方も増えています。例えば、音楽好きだった故人のため音符の模様を入れたり、ゴルフ好きだった故人のためゴルフクラブのレリーフを刻んだりするなど、多様なご要望にお応えできるようになってきています。

竿石は、故人を偲び、お墓参りの際に語りかける大切な対象です。故人の人柄や遺族の想いを込めて、最適な竿石を選んでいきましょう。

竿石の加工

お墓の顔となる竿石は、故人様を偲ぶ象徴として、様々な加工が施されます。大きく分けて二つの形式があり、一つは「香箱型」と呼ばれるものです。これは竿石の上部が丸みを帯びているのが特徴で、まるで香箱を逆さにしたような形をしています。その柔らかな曲線は、故人様への優しい想いを表現しているかのようです。もう一つは「額縁型」と呼ばれる形式です。こちらは竿石の周りを縁取るように加工が施され、すっきりとした印象を与えます。まるで、故人様の生きた証を額縁に収めたかのような、厳かな雰囲気を漂わせます。

これらの代表的な形式以外にも、竿石の加工には様々な種類があります。例えば、仏教において極楽浄土の象徴とされる蓮の花を、丁寧に彫刻したものもあります。また、故人様への想いを込めて、文字を立体的に彫り出す手法も用いられます。近年では、従来の型にとらわれず、自由な発想でデザインされた竿石も増えています。熟練の石工の技術によって、石に様々な想いを刻むことができるのです。

洋型墓石の場合

– 洋型墓石の場合

近年、お墓の形も和型だけでなく、横長のデザイン性の高い洋型墓石を選ぶ方が増えています。
従来の和型の墓石の一番上の部分は「竿石」と呼ばれますが、近年増えている洋型の横長のお墓の場合でも、一番上の部分は同じく「竿石」と呼びます。

洋型の竿石は、和型に比べて自由度が高く、デザイン性の高いものが多く見られます。
伝統的な和型の竿石は、先端が三角形に尖った「角柱型」や、丸みを帯びた「宝珠型」などが一般的ですが、洋型の竿石は、故人の個性を表現するために、曲線や彫刻を施したものなど、より自由な形のものがあります。

また、石材も、黒御影石だけでなく、白御影石やピンク御影石など、様々な種類が使用されています。
黒御影石は、重厚感があり、風格を感じさせるため、和型の墓石によく使われてきましたが、洋型の墓石では、白やピンクなど、明るい色合いの御影石が使われることも多く、墓地の雰囲気も明るい印象になります。

このように、洋型の墓石は、デザインや石材の自由度が高いため、故人や遺族の想いを形にしやすいという特徴があります。