「わ」

葬儀

最後の贈り物:別れ花の意味と種類

- 別れ花の由来葬儀で棺に手向ける花である「別れ花」。これは、古くから日本の葬儀において重要な役割を担っており、故人との最後の別れを惜しみ、冥福を祈る気持ちを表すために捧げられてきました。別れ花の起源は、仏教の経典に登場する「散華」の儀式に遡るとされています。散華は、蓮の花びらを仏前に撒き散らし、仏様を供養する儀式です。蓮の花は、泥水の中から美しい花を咲かせることから、仏教では清らかさの象徴とされています。そして、この散華の儀式が日本に伝来し、時代とともに変化を遂げながら、現在の別れ花の風習へと繋がっていったと考えられています。かつては蓮の花が用いられていましたが、時代が進むにつれて、故人が生前好んでいた花や、その季節に咲く花などを別れ花として棺に納めるようになりました。このように、別れ花は、故人への想いを込めて捧げられる、大切な心の表れと言えるでしょう。
墓石

和型墓石:伝統と格式を重んじるお墓の形

- 和型墓石とは和型墓石は、古くから日本で親しまれてきた伝統的なお墓の形の一つです。三段墓と呼ばれることもあり、その名の通り、上から「天輪」「人輪」「地輪」と積み重ねられた三段構造が特徴です。一番下の「地輪」は、大地を表し、お墓全体をしっかりと支える重要な役割を担っています。中央の「人輪」は、故人が生きた人間界を象徴する部分であり、一般的に家名や戒名、没年月日などが刻まれます。そして、一番上の「天輪」は、天界を表し、故人の魂が安らかに眠る場所とされています。この三段構造は、仏教思想に基づいており、それぞれ「天・地・人」を表しています。天と地と人とが調和し、永遠に続くことを願い、一族の繁栄を願う意味合いが込められています。和型墓石は、その重厚感と風格から、現在でも多くの人の心を惹きつけてやみません。時代を超えて受け継がれてきた伝統的なお墓の形として、これからも日本の風景に欠かせない存在であり続けるでしょう。
葬儀

葬儀の知恵:渡し箸の役割と意味

日本では近年、火葬によって故人を見送る形が一般的になりました。火葬炉の炎によって肉体は灰となっていきますが、その中にあって骨は残ります。この残った骨を骨壺に納めるために行われるのが「拾骨」という儀式です。火葬が済むと、遺族は火葬場の収骨室へと案内されます。そして、火葬場の方から骨の説明を受けながら、二人一組で箸を使い骨を拾い上げていきます。この時使用する箸を「渡し箸」と呼びます。渡し箸には、一方の箸を故人が持ち、もう一方を遺族が持つことで、あの世とこの世を繋ぎ、一緒に骨を拾うという意味が込められています。また、箸から箸へと骨を渡すのではなく、直接骨壺へと納めるのが一般的です。これは、再びこの世に遺骨が戻ってこないようにという願いが込められているからです。拾骨は、故人の身体を火葬した後に行われる、いわば最後の別れを惜しむための大切な儀式です。それぞれの地域や宗教によって作法は異なりますが、故人を偲び、冥福を祈る気持ちは万国共通と言えるでしょう。
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