
積み団子:故人への想いとお供えの心が形に
日本では古来より、ご先祖様を敬い、その加護に感謝する気持ちが大切にされてきました。仏教の教えが根付いた後も、こうした思いは脈々と受け継がれ、葬儀や法要の儀式の中に色濃く反映されています。初七日や四十九日といった法要の際に目にする「積み団子」も、そうした日本人の死生観を象徴する風習の一つと言えるでしょう。白く丸いお団子は、故人があの世で迷わずに済むようにとの願いを込めて積み重ねられます。これは、仏教の教えと結びつき、故人が成仏へと至るまでの道のりを、子孫が祈り、支えたいという気持ちの表れでもあります。一つ一つのお団子には、故人への感謝の気持ち、そして、再びこの世に生まれてきてほしいという願いが込められているのです。法要の席で、静かに積み上げられた団子は、故人の在りし日の姿を偲ばせるのと同時に、子孫と故人を繋ぐ大切な懸け橋としての役割を担っていると言えるでしょう。