
葬儀場ってどんな場所?斎場とセレモニーホールの違いとは
- 葬儀を行う場所の変遷かつて、人が亡くなると、その家は悲しみに包まれると同時に、大切な儀式を行う場所へと変わりました。自宅に祭壇が設けられ、家族や親戚、近しい人たちに見守られながら、故人はあの世へと見送られました。家がそのまま葬儀の場となるため、故人との思い出が色濃く残る空間で、ゆっくりと別れを惜しむことができました。しかし、時代の流れとともに、家族のかたちも、住まい方も大きく変化しました。核家族化が進み、マンションなどの集合住宅に住む人が増えたことで、自宅で葬儀を行うことが難しくなっていったのです。自宅での葬儀は、参列者の対応やスペースの確保など、多くの負担が伴うため、しだいに敬遠されるようになりました。そうした中で登場したのが、「葬儀場」と呼ばれる専用の施設です。葬儀場には、故人を偲び、最後の別れを告げるための空間が整えられています。広々とした式場は、故人とのお別れの時間をゆっくりと過ごすことができ、参列者にとっても落ち着いた雰囲気の中で故人を偲ぶことができます。また、近年では、宗教や宗派にとらわれない自由な形式で葬儀を行うことも増えています。葬儀を行う場所は、時代の流れとともに変化してきました。しかし、故人を偲び、その死を悼み、残された者が生きていく力を得るという葬儀の本質は、これからも変わることはないでしょう。