
故人を偲び、敬意を込めて贈る「贈り名」
- 贈り名とは-# 贈り名とは「贈り名」とは、この世を去った方の生前の功績や人柄をたたえ、敬意を表すために贈られる名前のことです。これは単なる呼び名ではなく、故人への深い愛情と敬意が込められた、いわば最後の贈り物といえるでしょう。古くから受け継がれてきたこの伝統は、仏教の教えに基づき、亡くなった方が仏弟子となり、極楽浄土へ向かう際に授かる新たな名前という考え方が根底にあります。生前の名前とは別に、新たに贈られる名前には、「安らかに眠ってほしい」「仏様の教えのもと、幸せに過ごしてほしい」といった遺族の願いが込められています。贈り名は、戒名と混同されることもありますが、戒名は仏門に入る際に授かる名前であるのに対し、贈り名は宗教の有無に関わらず、故人を偲び、その名を後世に残すための尊い行為といえます。墓石に刻まれることで、永遠に残り続ける贈り名は、故人への変わらぬ愛情と敬意を表現する、大切な意味を持つものなのです。