
庭園を彩る、雪見灯籠の魅力
- 雪見灯籠とは日本庭園の風景に静寂な趣を添える石灯籠。その中でも、雪景色の中に置かれることを想定して作られたものが「雪見灯籠」です。雪が降り積もる季節、白一色の世界に凛と佇むその姿は、見る人の心を惹きつけて止みません。雪見灯籠の特徴は、一般的な灯籠よりも背が低く、ずっしりとした安定感のある形をしている点にあります。これは、積もった雪の重みに耐えるため、そして雪景色の中に埋もれてしまわないようにという、実用的な意味合いも込められています。また、雪見灯籠の笠の部分は、他の灯籠に比べて大きく広がっていることも特徴です。その広がりは、降り積もる雪を受け止め、静かにその重さに耐えるかのよう。そして、雪が溶け落ちる時、笠の端から滴り落ちる水滴は、冬の寒さの中にあっても、時の流れを感じさせてくれます。雪見灯籠は、ただ雪景色に映えるだけでなく、その存在自体が日本の美意識である「侘び寂び」を体現しています。華やかさよりも、静けさの中にこそ美しさを見出すという、奥ゆかしい感性を象徴する存在と言えるでしょう。