
10月5日は達磨忌:禅宗の祖を偲ぶ日
- 達磨大師とは達磨大師は、6世紀頃にインドから中国へと仏教の教えを伝えるために旅をしてきた僧侶です。中国禅宗の開祖として広く知られており、特に坐禅の修行を説いたことで有名です。その功績から、中国や日本では仏教の中でも禅宗における最も重要な人物の一人とされています。達磨大師は、南インドの香至国という国の王子として生まれました。しかし、仏教の教えに深く感銘を受け、出家して僧侶となります。そして、師の教えに従い、仏教を広めるために東の果て、中国へと長い航海の末にたどり着きました。中国で達磨大師は、当時の皇帝であった梁の武帝に謁見し、仏教について語りかけます。しかし、武帝は達磨大師の教えに十分な理解を示すことができませんでした。この時の武帝との問答は、仏教の奥義を説いた公案として禅宗の世界では広く伝わっています。その後、達磨大師は嵩山少林寺という寺院に向かい、そこで9年間もの間、壁に向かって坐禅を組み続けました。この間、達磨大師はただひたすらに精神統一を続け、悟りの境地を目指したと言われています。この坐禅の姿は、達磨大師の精神力の強さを象徴するものとして、絵画や彫刻の題材にもなり、現代まで語り継がれています。達磨大師は、中国禅宗の基礎を築き、その教えは弟子たちに受け継がれ、長い年月を経て日本にも伝えられました。坐禅の重要性を説いた達磨大師の教えは、現代社会においても、心の平静や集中力、忍耐力を養うための方法として、多くの人々に影響を与え続けています。