
葬儀で見かける払子:その役割と意味
- 払子の概要払子は、棒の先に獣毛や麻などを束ねた仏具です。その形状から、羽根ぼうきやハエたたきと勘違いされることもありますが、全く異なる神聖なものです。払子の起源は古く、古代インドで虫を払ったり、埃を払うための実用的な道具として使われていました。それが仏教に取り入れられ、仏様の教えを説く際に、煩悩や迷いを払いのける象徴として用いられるようになりました。インドから中国へ仏教が伝来すると、払子も一緒に伝わりました。中国では、道教の儀式でも使われるようになり、素材や形状も多様化していきました。日本には、仏教伝来とともに中国から伝わりました。当初は、主に高僧が使っていましたが、時代が経つにつれて、禅宗をはじめとする様々な宗派でも使われるようになりました。今日では、法要や儀式で僧侶が手に持ち、仏様の慈悲を象徴する大切な仏具として扱われています。また、その優美な形状から、美術工芸品としても高い価値を持つものもあります。