
お墓の風格を高める「袖石」
お墓参りに行くと、墓石本体以外にも様々な石材が用いられていることに気がつくでしょう。区画全体を囲む外柵、故人へ感謝を込めて手を合わせるための香炉、花や水を供える花立など、それぞれに大切な役割があります。その中でも、お墓の入り口部分の左右から後方に向けて緩やかに広がるように据え付けられた石材を「袖石」と呼びます。袖石は、お墓に安定感と重厚感を与えるだけでなく、お隣のお墓との境界線を明確にする役割も担っています。お墓の顔となる門構えの一部として、あるいは外柵と一体化したデザインとして設置されることも多く、その形状や素材は様々です。一般的に、広めの区画のお墓に用いられることが多い袖石ですが、近年では、限られたスペースでも設置しやすいコンパクトなデザインのものも見られるようになりました。袖石があることで、お墓全体の印象が引き締まり、より一層格式高く感じられるでしょう。袖石は、お墓の見た目を美しくするだけでなく、区画をしっかりと守るという大切な役割も担っているのです。