
葬式饅頭:消えゆく日本の風習
- 葬式饅頭とは葬式饅頭とは、その名の通り、葬儀や法要の際に参列者へ配られる饅頭のことです。これは、故人を偲び、冥福を祈る席に集った人々が、分け合って食べることで、故人との繋がりを再確認し、悲しみを分かち合うためのものです。地域によって呼び方が異なり、「香典饅頭」「御霊前饅頭」「お斎饅頭」などと呼ばれることもあります。一般的には、皮に小麦粉、中に小豆餡を使用したものが多く見られます。これは、小豆の赤い色が邪気を払うとされ、古くから縁起が良いとされてきたことに由来します。しかし、地域によっては白餡や味噌餡、抹茶餡などが使われることもあり、その土地ならではの風習が見られます。近年では、葬儀の形式も簡素化が進み、それに伴い、葬式饅頭も個包装になっていたり、洋菓子が選ばれたりするケースも増えています。しかし、その根底にある、故人を偲び、共に過ごした時間を懐かしむという気持ちは、昔も今も変わりません。