葬儀用品

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葬儀における棺:その役割と種類

- 棺とは棺とは、亡くなった方の遺体を納め、葬儀や埋葬を行う際に用いる、大切な入れ物のことです。人がちょうど横たわることのできる大きさの箱型容器で、古くから様々な文化圏で、故人を見送るための儀式において重要な役割を担ってきました。日本では、仏教の影響を強く受けており、木製の棺が一般的です。これは、火葬という文化と深く結びついています。 火葬は、遺体を火によって浄化するという意味合いがあり、その際に燃えやすい素材である木が適していると考えられているためです。 木材の中でも、桐材は軽く、加工がしやすいことから、古くから高級な棺の材料として用いられてきました。その他にも、檜や杉など、香り高い木材が選ばれることもあります。近年では、環境問題への意識の高まりから、段ボールなどの環境に優しい素材で作られた棺も登場しています。 これらの棺は、従来の木製のものと比べて安価であることや、燃焼時に有害物質が発生しにくいという利点があります。 棺は、故人にとって最後の寝床となる大切なものです。そのため、材質や形状、装飾など、様々な要素を考慮して、故人にふさわしいものを選ぶことが重要です。
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葬儀に際立つ銘旗:故人を偲ぶ象徴

- 銘旗とは銘旗とは、葬儀の際に故人様を偲び、その存在を象徴するものとして掲げられる旗のことです。故人様を悼み、生前の功績を称えるとともに、葬儀の場に厳粛な雰囲気をもたらす役割を担っています。一般的に銘旗は、黒や白といった落ち着いた色合いの布地が用いられます。中央には、ひときわ大きく故人様の氏名が記されます。その下に、生年月日と没年月日、享年が記されることが一般的です。寺院や宗派によっては、戒名や法名、位牌に相当する情報が記されることもあります。銘旗は、葬儀の際に祭壇の脇や入口などに設置されることが多く、会葬者の方々が故人様を偲び、お別れを告げる際の大切な目印となります。また、近年では、従来の形式にとらわれず、故人様のイメージカラーや写真、イラストなどを用いたオリジナルの銘旗を作成されるケースも増えています。銘旗は、故人様を悼む気持ちを表す大切な象徴として、葬儀において重要な役割を担っていると言えるでしょう。
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白張提灯:葬儀と新盆に灯すその意味

- 白張提灯とは白張提灯とは、その名の通り白い和紙を張った提灯のことを指します。私たちが普段目にし、提灯と聞いて思い浮かべるのは、おそらく祭りなどで使われる、赤や青、黄色といった鮮やかな色彩で彩られ、華やかな絵柄が描かれたものが多いでしょう。しかし、白張提灯はそれらの提灯とは全く異なり、白い和紙を用い、そこに一切の紋や絵柄を入れることなく仕上げられます。では、なぜ白張提灯は白い無地の和紙が使われているのでしょうか。それは、白という色が持つ「清浄さ」や「神聖さ」を表しているとされています。日本では古くから、白は神聖な色とされ、神事など特別な儀式に用いられてきました。そのため、故人を見送り、冥福を祈る葬儀の場においても、白張提灯が相応しいとされています。また、白張提灯には、故人の魂を迷わせることなく、あの世へと導くという意味も込められています。白という色は、光を反射する色であることから、故人の魂が迷うことなく、安らかに成仏できるようにと願いが込められているのです。このように、白張提灯は単なる照明としてではなく、故人を偲び、冥福を祈る心を込めて灯される、特別な意味を持つ提灯なのです。
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旅立ちの衣装、経帷子とは

- 経帷子とは経帷子とは、亡くなった方があの世へと旅立つ際に身にまとう、白無地の衣装のことです。 白い布で仕立てられており、その名の通り、経文が書かれていることが大きな特徴です。これは、故人があの世で迷うことなく、極楽浄土へたどり着き、成仏できるようにとの願いが込められています。かつて日本では、土葬が一般的だった時代、故人は経帷子を身にまとい、土中に葬られていました。しかし、現代では火葬が主流となったため、経帷子は火葬の際に棺の中に納められることが多くなっています。 故人に寄り添うように、棺の上に掛けられる場合もあります。経帷子には、宗派によって様々な種類があります。 一般的なものは「一疋(いっぴき)」「五条(ごじょう)」「七条(しちじょう)」と呼ばれるもので、それぞれ使用する布の大きさが異なります。 また、浄土真宗のように、経帷子を用いない宗派も存在します。経帷子は、故人の成仏を願う、ご遺族の愛情と祈りが込められた衣装と言えるでしょう。
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葬儀における頭陀袋:その役割と意味

- 頭陀袋とは頭陀袋は、もともと仏教の修行僧が旅をする際に必要な最低限の持ち物を収納するために使われていた袋のことです。修行僧は、この袋一つで諸国を巡り修行に励んでいました。そのため、頭陀袋には「質素」「禁欲」といったイメージが込められています。現代の葬儀においては、故人の首にかける小さな袋のことを指し、六文銭や故人が愛用していた小物などを納めます。これは、あの世へ旅立つ故人が、あの世でも困らないようにとの願いが込められています。頭陀袋は、別名「すみ袋」や「さんや袋」とも呼ばれます。いずれも、修行僧が使用していたことに由来する呼び名です。頭陀袋に入れるものは、特に決まりはありません。故人が生前愛用していたものや、故人との思い出の品などを入れることが多いようです。また、六文銭は三途の川の渡し賃として入れるのが一般的です。このように、頭陀袋は、故人の旅立ちを支えるための大切な品です。
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