精進上げ

法事

葬儀後の大切な習慣:精進落しの意味と作法

- 精進落しとは故人があの世へと旅立った後、遺された私たちには、悲しみを乗り越え、前向きに生きていくことが求められます。その節目に当たるのが「精進落し」です。これは、葬儀後、四十九日や納骨など、区切りの良い日に、親族やお世話になった方々へ、労いの気持ちと感謝の気持ちを込めて食事を振る舞う習慣を指します。「精進落し」の由来は、仏教の教えにあります。 仏教では、人が亡くなってから四十九日の間、故人は極楽浄土へ旅立つ準備をしていると考えられています。そして、その間、残された遺族は、故人の冥福を祈り、殺生を避ける意味から、肉や魚を口にせず、米や野菜を中心とした質素な食事を摂ります。これを「精進料理」と言います。そして、四十九日や納骨を終え、故人が無事に成仏できたと信じられる段階に至ると、この「精進料理」を止め、普段通りの食事に戻します。これが「精進落し」の本来の意味です。「精進落し」は、単なる食事会ではなく、故人の成仏を願い、残された者が共に前向きに生きていくことを象徴する大切な儀式の意味合いを持っています。 食事を共にすることで、参列者は、故人を偲び、その死を悼むとともに、遺族に対する慰めと励ましの気持ちを分かち合います。また、遺族にとっては、参列者への感謝の気持ちを表すとともに、共に故人を偲び、悲しみを分かち合うことで、心の整理をつけ、前を向いて進んでいくための区切りとなります。現代では、葬儀後の食事会全般を「精進落し」と呼ぶことも多いですが、本来の意味を理解しておくことは大切です。
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