神隠し

葬儀

神棚封じ:死を穢れとする日本の伝統

- 神棚封じとは人がこの世を去ると、残された家族は深い悲しみに暮れると同時に、故者を偲び、冥福を祈るため様々な儀式を行います。その一つに「神棚封じ」という儀式があります。神棚封じとは、人が亡くなった際に、その家の神棚の扉を閉じて白い紙で封をすることを指します。これは、古くから日本人に根付く神道の考え方である「死の穢れ」から神棚を守るための伝統的な習慣です。神棚は、その名の通り神様が宿る神聖な場所とされており、常に清浄に保たなければなりません。しかし、神道の考え方では、死は穢れと捉えられ、死者の魂が宿る場所もまた穢れていると考えられています。そのため、死者の魂が神棚に近づき、その清浄さを穢してしまうことを防ぐため、神棚を封じるのです。白い紙で封をするのは、白が神聖な色とされ、穢れを祓う力があると信じられているからです。神棚封じは、故人の魂が安らかに天へと昇っていくことができるように、そして残された家族が新たな生活を安心して送ることができるようにとの願いが込められた、大切な儀式なのです。現代では、神棚のない家庭も増え、この風習も薄れつつあります。しかし、神棚封じには、死を穢れと捉える古代からの日本人の死生観や、神様に対する畏敬の念が色濃く反映されています。先祖代々受け継がれてきた伝統的な文化を、今一度見直してみるのも良いかもしれません。
PR
タイトルとURLをコピーしました