
終油の秘跡:魂への慰めと癒やし
- 終油の秘跡とは終油の秘跡は、キリスト教のカトリック教会において、病気や老いによって弱っている信徒に対して行われる大切な儀式です。かつては「臨終の秘跡」と呼ばれ、死が間近に迫った人を慰めるための儀式というイメージが強かったかもしれません。しかし現在では、死期が近いと判断される場合だけでなく、病気や老いによって心身が弱っている人に対して、より広く希望と癒しを与える秘跡として捉えられています。具体的には、重い病気や手術を控えた人、高齢や老衰によって体力が衰えている人などが、この秘跡を受けることができます。司祭によって額と両手に聖油が塗られ、祈りが捧げられることで、神様の恵みが与えられると信じられています。終油の秘跡は、単に病気からの回復や肉体的な苦痛からの解放を願うだけでなく、魂の救済と永遠の命への希望を与えるものとして、カトリック信者にとって非常に重要な意味を持っています。それは、神様の愛と慈しみが、どんな苦しみの中にいる人にも、常に注がれていることを表しているのです。