
故人を偲ぶ十日間:浄土宗の大切な儀式、十夜法要
- 十夜法要とは十夜法要は、浄土宗の寺院で厳粛に執り行われる重要な仏教行事の一つです。毎年秋の10月15日から11月15日までの10日間にわたって行われ、昼夜を通して念仏を唱え、故人の冥福を祈ります。この法要は、ただ単に故人を偲ぶためのものではありません。浄土宗の重要な経典である『無量寿経』に基づき、阿弥陀如来の限りない慈悲に感謝の念を捧げ、私たち自身もいつか往生できるであろう浄土への願いを新たにする、大切な機会とされています。10日間という期間は、人間の煩悩の数である108を百八念仏によって打ち払い、功徳を積むための象徴的な数字とされています。また、秋の収穫期に行われることから、一年の収穫を阿弥陀如来に感謝するとともに、私たちの人生における心の収穫を感謝する意味も込められています。十夜法要は、故人のみならず、私たち自身の信仰を深め、浄土への道を歩むための大切な法要と言えるでしょう。