火葬

色々な葬送

骨葬前火葬:理解を深める

- 骨葬前火葬とは骨葬前火葬とは、火葬を済ませてから葬儀を行う形式を指し、「前火葬」とも呼ばれます。近年では全国的に火葬が主流となっていますが、火葬を行うタイミングによって、葬儀の形式は大きく二つに分けられます。一つは、通夜、葬儀・告別式の後、火葬場へと向かう、一般的に広く行われている形式です。もう一つが、この骨葬前火葬と呼ばれる形式です。従来の葬儀では、故人との最後のお別れは、火葬前の、まだお顔を見ることができ、触れることもできる状態で行われてきました。しかし、骨葬前火葬では、葬儀・告別式の前に火葬が行われるため、祭壇に飾られるのは遺体ではなく骨壺となります。参列者は、故人との最後のお別れを、すでに骨となった状態で行うことになりますが、これは決して失礼なことではありません。骨葬前火葬は、東北地方を中心に十数県で広く行われている伝統的な葬儀形式の一つであり、地域によってはごく一般的なお別れの形として、古くから根付いています。近年では、葬儀の簡素化や、遠方に住む遺族の負担を減らす等の理由から、全国的に骨葬前火葬を選択する人が増えています。
葬儀

骨上げ・骨揚げの儀式:故人を偲ぶ大切なプロセス

日本では、近年火葬で故人を見送ることが一般的になってきました。火葬後に行われる大切な儀式の一つに「骨上げ」があります。これは、火葬されたお骨を遺族の手で骨壺に納める儀式です。骨上げは、火葬という大きな節目を経て、改めて故人との別れを惜しみ、冥福を祈るための大切な時間となります。火葬場には、故人の近親者が集います。火葬を終えたお骨は、骨壺を安置する台に運ばれ、遺族は順に骨を拾い上げて骨壺に納めていきます。この時、箸を二膳使い、「橋渡し」といって、あの世とこの世を繋ぐ橋に見立てて、故人をあの世へと送り届けます。地域によっては、骨を拾う順番や人数が決まっている場合もあります。骨上げは、単なる儀式ではなく、遺族が故人との最後の時間を共有し、深い悲しみと向き合いながら、少しずつ心の整理をつけていくための大切なプロセスでもあります。故人の温もりを感じながら、生前の思い出話に花を咲かせ、感謝の気持ちと共に、安らかな眠りを祈ります。
葬儀

知っておきたい骨あげの儀式:故人との最後の別れ

- 骨あげとは骨あげは、火葬が終わった後に行われる大切な儀式のひとつです。火葬によって浄化されたご遺骨を骨壺に納める際に、箸を使って拾い上げる行為を指します。これは単なる作業ではなく、故人との最後の別れを惜しみ、冥福を祈る深い意味を持つ儀式です。通常、遺族や親族が二人一組になり、それぞれに持った箸を橋渡しするようにして、そっと故人の骨を拾い上げます。そして、骨壺へと丁重に納めていきます。この行為は、まるで故人をあの世へと送り届けるための橋渡しをしているかのように思われ、古来より大切にされてきました。骨あげの際には、故人の身体の部位を順番に拾い上げていくことが一般的です。これは、再びこの世に蘇ることのないようにという願いが込められていると言われています。また、骨を拾う際には、故人との思い出話に花を咲かせたり、感謝の気持ちを伝えたりするなど、それぞれが故人と心を通わせる大切な時間となっています。骨あげは、故人との最後の別れを告げ、冥福を祈る神聖な儀式です。参列する際には、故人への想いを胸に、厳粛な気持ちで臨みましょう。
墓石

お墓のカロートって?

お墓参りに行くと、お墓の前に四角い石蓋が置かれているのを目にしますよね。この石蓋は、大切な役割を持つカロートと呼ばれる空間を覆うために設置されています。カロートは、別名「納骨棺」とも呼ばれ、故人の遺骨を納め、雨風や土から守るという重要な役割を担っています。カロートは、土中深くに設置されるため、土の重さや雨水から遺骨を守ることができます。また、カロート内部は、湿気がこもらないよう通気口が設けられていることが多く、遺骨を良好な状態で保管することができます。カロートの素材は、石やコンクリートなどが一般的です。石は耐久性に優れ、長期間にわたって遺骨を守ることができます。一方、コンクリートは、石に比べて安価で、加工しやすいというメリットがあります。カロートの大きさは、納骨する人数や遺骨の大きさによって異なります。一般的には、夫婦で納骨できる程度の大きさが選ばれます。カロートは、故人を偲び、弔うための大切な場所です。カロートの存在を知ることで、お墓参りの際に、より一層故人を身近に感じることができるかもしれません。
色々な葬送

火葬と墓石:現代の埋葬の形

火葬とは、遺体を火によって焼却し、灰化する埋葬方法です。日本では近年、火葬が主流となっていますが、その歴史は古く、6世紀頃に仏教とともに伝来したと言われています。仏教では、火葬は煩悩や業といった不浄を焼き尽くし、魂を清めるという意味合いを持つとされ、広く受け入れられました。しかしその後、日本では土葬が主流となり、火葬は一時衰退します。再び火葬が広まり始めたのは、19世紀後半からです。明治時代に入ると、政府は衛生上の観点から火葬を奨励しました。また、都市化が進展し、墓地の確保が困難になったことも、火葬の普及を後押ししました。さらに、焼却技術の進歩により、かつて問題となっていたにおいや煙の問題も解決され、火葬はより身近なものとなっていきました。現代では、火葬は日本において最も一般的な埋葬方法となっています。これは、火葬が衛生的で、墓地の確保が容易であるという利点を持つだけでなく、日本の伝統や宗教観とも深く結びついているためと言えるでしょう。
葬儀

最後の別れに拾い上げる意味:喉仏

人が亡くなり、葬儀が終わりを迎えると、しめくくりとして火葬が行われます。火葬は、故人の身体を炎によって浄化する儀式であり、その後の『骨あげ』は、残された遺族にとって、故人との最後の別れを惜しむ大切な時間となります。火葬場では、炉から白い骨壺が静かに遺族のもとへ戻されます。骨壺の中には、故人の身体の一部であった白い骨が納められており、参列者は二人一組になり、箸を橋渡しにして骨を拾い上げていきます。この骨を拾い上げる行為は、故人をあの世へと送り出すための橋渡しの意味合いも込められています。多くの骨の中でも、ひときわ大切に扱われるのが『喉仏』です。喉仏は、かつて声を発していた器官であり、故人の面影を強く残す場所です。そのため、喉仏は他の骨とは別に、専用の骨壺に納められます。骨あげは、参列者にとって、故人との最後の触れ合いの機会となります。白い骨を前に、故人との思い出が蘇り、涙を流す人も少なくありません。しかし、それは決して悲しいだけの涙ではありません。そこには、故人を偲び、その魂の安らかなることを願う、温かい気持ちが込められているのです。
葬儀

葬儀における副葬品:意味合いと現代の注意点

- 副葬品の由来人が亡くなると、その方の魂が無事に向こうの世界に旅立てるようにと、様々な品々を棺に入れたり、遺体と共に埋葬したりすることがあります。これが「副葬品」と呼ばれるものです。 この習慣は、遠い昔の時代から世界各地で見られ、現代に生きる私たちにもどこか懐かしい、大切な人を思う気持ちを感じさせてくれます。副葬品の起源は、はるか古代にまで遡ります。当時の人々は、死は永遠の別れではなく、あの世でも生前と同じように生活が続くと考えていました。そこで、亡くなった方があの世で困らないように、生前愛用していた道具や衣服、食べ物などを一緒に埋葬したのです。 時代が進むにつれて、副葬品は単なる日用品だけでなく、その時代の文化や信仰を色濃く反映するようになります。例えば、権力者の墓からは豪華な装飾品や権力の象徴である武器が出土することがあります。一方、庶民の墓からは土器や農具など、日常生活に欠かせない物が発見されることが多いようです。このように、副葬品は当時の社会構造や人々の死生観を理解するための貴重な手がかりとなります。現代では、故人の愛用していた品や思い出の品を副葬品とするケースが増えてきました。これは、古代の人々の想いと同様に、故人への愛情や敬意を表す普遍的な行為と言えるでしょう。
葬儀

副葬品:故人との最後の別れに添えるもの

- 副葬品の定義副葬品とは、故人が旅立つ際に、棺や骨壺の中に共に納める品々のことを指します。これは、故人が生前愛用していた物や、思い出の品、あるいはあの世での幸せを願って選ばれたものなど、様々な意味合いを持ちます。例えば、故人が生前大切にしていた時計やアクセサリー、愛読書、趣味の品などが副葬品として選ばれることがあります。また、家族や友人との写真、故人への手紙なども、思い出の品として共に納められることがあります。さらに、あの世での幸せを願って、六文銭や経帷子などの宗教的な意味合いを持つ品や、故人が好きだった食べ物や飲み物、花などが副葬品として選ばれることもあります。副葬品は、故人への想いを形にするものであり、残された家族にとっては、故人を偲ぶ大切な拠り所となることもあります。近年では、故人の個性を大切にしたいという想いから、従来の宗教的な意味合いを持つ品だけでなく、より自由な発想で副葬品を選ぶ傾向も強まっています。
色々な葬送

大切な家族に贈る、ペット葬儀と納骨

- ペット葬儀とはペット葬儀とは、長年家族の一員として共に暮らし、喜びや癒しを与えてくれた大切なペットが亡くなった際に、その魂の安らぎを願い、感謝の気持ちを込めて送り出すための儀式です。 愛情深く育てたペットとの別れは、家族を失う悲しみと同じように深いものです。そこで、人間と同様に、ペットの死を悼み、その存在の大きさを再認識することで、飼い主としての心の整理をつける場として、ペット葬儀が近年広く行われるようになってきました。ペット葬儀では、火葬や読経など、人間と変わらない丁寧な形で執り行われます。 火葬には、他のペットとまとめて火葬する合同火葬と、飼い主のペットのみを火葬する個別火葬があります。個別火葬の場合には、火葬後に遺骨を拾って自宅に持ち帰り、手元供養することも可能です。また、宗教的な儀式を希望する場合は、僧侶に読経を依頼することもできます。ペット葬儀は、単なる儀式ではなく、長い間共に過ごしたペットへの愛情と感謝の気持ちを形にすることで、飼い主としての責任を果たし、前向きに別れを受け入れるための大切なプロセスと言えるでしょう。
葬儀

大切な人を家に迎えるということ:遺骨迎えの儀式と意味

- 遺骨迎えとは「遺骨迎え」とは、火葬を終えた後のご遺骨を、自宅あるいは安置する場所に迎える儀式のことを指します。 火葬場から自宅へと、白い布に包まれたご遺骨を骨壺に納め、丁寧に持ち帰ります。これは単なる移動ではなく、故人が現世からあの世へと旅立つ大切な過程を、遺された家族や親族が共にするという意味が込められています。かつて日本では、土葬が一般的でした。土葬の場合、埋葬した場所に故人の魂が宿ると考えられていましたが、火葬が広まるにつれて、火葬後のご遺骨を自宅に迎えることで、故人を身近に感じ、共に過ごせる時間を持つという考え方が生まれました。遺骨迎えは、形式的なものではなく、深い精神性を伴う儀式です。ご遺骨を前にすることで、故人との最後の別れを惜しみ、冥福を祈る機会となるでしょう。また、故人の思い出話や生前の行いを語り合うことで、悲しみを分かち合い、癒やしへと繋がるとも言われています。遺骨迎えは、地域や宗教によって、その方法や考え方に違いがある場合もあります。 しかしながら、故人を偲び、冥福を祈る気持ちは、どの時代、どの地域においても共通していると言えるでしょう。
葬儀

箸渡し:故人への想いを橋渡しする

- 火葬後の大切な儀式箸渡し火葬という形式が一般的になった現代においても、大切な人を亡くした悲しみは変わりません。その悲しみを乗り越え、故人を偲び、冥福を祈るために、様々な儀式が大切に受け継がれています。その中でも、「箸渡し」は、火葬後の別れ際に執り行われる、特に重要な儀式のひとつです。箸渡しは、二人一組になった参列者が、箸を用いて丁寧に火葬された遺骨を拾い上げ、骨壺へと納める儀式です。小さな骨片一つ一つを、まるで故人を慈しむかのように扱うその所作は、故人に対する深い愛情と敬意の表れと言えるでしょう。誰かの手を借りなければ拾えないほどの小さな骨片にも、確かに故人が存在していた証を見出すことができるのです。この儀式には、「あの世へ旅立つ故人が迷わず成仏できるよう、橋渡しをする」という意味が込められています。また、参列者にとっては、生前の故人の温かさに触れ、共に過ごした日々を振り返りながら、最後の別れを告げる貴重な時間ともなります。箸渡しは、単なる儀式ではなく、故人への想いを形にする大切な行為と言えるでしょう。
葬儀

故人を偲ぶ場所:安置室とは

人が亡くなると、残された家族は深い悲しみの中、葬儀の準備や手続きなど、さまざまなことに追われることになります。しかし、火葬を行うためには法律で24時間以上の間隔を空けなければならないため、故人はすぐに火葬することはできません。そこで、故人が安らかな時間を過ごせるよう、そして遺族がゆっくりとお別れを告げることができるよう、用意されているのが安置室です。安置室は、故人がこの世を去った後、最初に過ごすことになる場所です。ご遺体を丁寧に扱えるよう、室温は適切に保たれ、静かで落ち着いた環境が整えられています。故人はこの安置室で、静かに最後の時を過ごします。安置室は、単にご遺体を保管しておく場所ではありません。遺族にとっては、故人とゆっくりと向き合い、生前の思い出を語りかけ、最後の別れを告げるための大切な空間となります。また、故人の冥福を祈り、生前の感謝の気持ちを伝える場でもあります。このように、安置室は故人にとっても遺族にとっても、大切な役割を持つ場所と言えるでしょう。
納骨

納骨:故人を偲び、未来へ繋ぐ儀式

- 納骨とは納骨とは、火葬によってお骨となったご遺体を骨壷に納め、寺院や墓地、納骨堂などにご安置する儀式のことを指します。これは、故人様を丁寧に弔い、その魂を慰めるための大切な儀式であり、単なる埋葬の手段とは一線を画すものです。納骨は、ご遺族にとって、故人様との永遠の別れを告げ、その死を受け入れ、新たな一歩を踏み出すための大切な区切りとなる儀式でもあります。納骨の際には、宗教や宗派、地域によって様々な作法や慣習があります。例えば、仏教では、僧侶による読経や焼香が行われ、参列者は故人様への祈りを捧げます。また、キリスト教では、牧師による祈祷や聖書の朗読が行われ、参列者は賛美歌を歌い、故人様を偲びます。納骨の時期は、四十九日法要後に行うのが一般的ですが、近年では、ご遺族の都合に合わせて、納骨の時期や方法も多様化しています。いずれにしても、納骨は、故人様を偲び、その生前のご功績をたたえるとともに、ご遺族が心を込めて故人様を送り出すための大切な機会と言えるでしょう。
葬儀

納骨の棺桶:故人との最後の別れを支える器

納骨棺とは、亡くなった方を土中に納める際に用いる、遺体を安置するための容器です。別名「お棺」とも呼ばれ、故人との最後のお別れに欠かせない大切な役割を担います。その歴史は古く、日本では既に弥生時代から存在していたとされています。当時の棺は、土器や木棺、石棺など様々な素材が用いられていました。時代が進むにつれて、仏教の影響を受けながら現在の様な箱型のものが主流となっていきました。素材も木が主流となり、中でも桐は湿気を調整する効果や軽いことから多く使用されています。近年では、桐以外にも、環境に配慮した素材や、故人の個性に合わせたデザイン性の高いものなど、様々な種類の棺が選択できるようになっています。納骨棺は、単なる容器ではなく、故人との最後の時間を共にする大切な場所です。そのため、故人の好きだったものを入れたり、家族からのメッセージを添えたりと、故人を偲ぶ気持ちを込めて様々な形で利用されています。
葬儀

荼毘:大切な方を弔う儀式

- 荼毘の語源「荼毘」とは、亡くなった方の遺体を焼いて埋葬することを指し、現代では一般的に「火葬」と同じ意味合いで使われています。 この言葉の由来は、仏教用語であるサンスクリット語に遡ります。「dhyapayati」やパーリ語の「jhapeti」といった言葉が語源とされており、どちらも「火葬する」という意味を持っています。荼毘は、単に遺体を焼く行為を指すだけでなく、仏教的な儀式として、故人の魂を浄化し、迷いの世界から解き放つための重要な意味合いも持っています。 古くから仏教では、人の体は、魂が一時的に宿る仮の住まいと考えられてきました。そして、死はその魂が肉体という束縛から解放される時であり、荼毘はその解放を助ける神聖な儀式とされてきました。現代の日本では、火葬が一般的な埋葬方法となっていますが、その背景には、荼毘という言葉が持つ仏教的な意味合いが深く根付いていると言えるでしょう。
葬儀

最後の別れを告げる儀式:斂祭

- 斂祭とは斂祭とは、火葬炉に故人を送り入れる直前に行われる、最後の別れを告げる儀式です。火葬場の一室である炉前で執り行われ、僧侶による読経や参列者による焼香が行われます。かつて火葬は、土葬と比べて簡素なものと捉えられがちでした。しかし近年では火葬が主流となり、火葬炉の前で最後のお別れをする場として、斂祭の重要性が高まっています。斂祭は、故人が安らかに旅立てるようにと願いを込めて行われます。僧侶が読経する中で、参列者は順に焼香を行い、故人との思い出を偲びます。また、故人が愛用していた品などを納める「おくるみ」を行う場合もあります。斂祭は、遺族や親しい友人など、限られた人だけが参列するのが一般的です。静かで厳粛な雰囲気の中、故人との最後のひとときを共有し、冥福を祈ります。
葬儀

近年減少傾向にある土葬の現状

土葬とは土葬とは、火葬と異なり、故人の遺体をそのまま土中に埋葬する方法です。日本では古来より行われてきた歴史ある埋葬方法であり、かつては火葬よりも一般的な埋葬方法でした。土葬は、遺体を棺に納め、墓地の区画に掘られた墓穴に埋葬します。墓標として墓石を建てることが多く、故人の冥福を祈り、墓前に花や線香を供えます。近年では、火葬が主流となりつつあり、土葬を行うケースは減少傾向にあります。これは、都市部における墓地不足や、火葬に比べて費用を抑えられるなどの理由が挙げられます。しかしながら、土葬は自然に還るという考え方や、先祖代々の墓に埋葬したいという想いなどから、現在でも一定数行われています。土葬を行う際には、埋葬に関する法律や条例、墓地の規定などを確認する必要があります。また、火葬と比べて費用や手続きが異なる場合もあるため、事前に葬儀社や墓地の管理者に相談することをお勧めします。
葬儀

葬儀の知恵:渡し箸の役割と意味

日本では近年、火葬によって故人を見送る形が一般的になりました。火葬炉の炎によって肉体は灰となっていきますが、その中にあって骨は残ります。この残った骨を骨壺に納めるために行われるのが「拾骨」という儀式です。火葬が済むと、遺族は火葬場の収骨室へと案内されます。そして、火葬場の方から骨の説明を受けながら、二人一組で箸を使い骨を拾い上げていきます。この時使用する箸を「渡し箸」と呼びます。渡し箸には、一方の箸を故人が持ち、もう一方を遺族が持つことで、あの世とこの世を繋ぎ、一緒に骨を拾うという意味が込められています。また、箸から箸へと骨を渡すのではなく、直接骨壺へと納めるのが一般的です。これは、再びこの世に遺骨が戻ってこないようにという願いが込められているからです。拾骨は、故人の身体を火葬した後に行われる、いわば最後の別れを惜しむための大切な儀式です。それぞれの地域や宗教によって作法は異なりますが、故人を偲び、冥福を祈る気持ちは万国共通と言えるでしょう。
納骨

葬儀後の大切な儀式:拾骨の significato

- 拾骨とは「拾骨」とは、火葬を終えた後の遺骨を骨壷に納める際、遺族の手で故人の骨を拾い集める儀式を指します。これは単なる作業としてではなく、故人との最後の別れを惜しみ、安らかな眠りを祈る大切な儀式として古くから日本で行われてきました。火葬によって残された白い骨は、生前の姿は想像し難くとも、まぎれもなく故人の体の一部です。その骨の一つ一つを、まるで故人と再び触れ合うかのように箸を使って拾い上げ、骨壷へと納めていく行為には、深い愛情と敬意が込められています。かつて土葬が主流であった時代には、遺体を土に還した後に骨を拾い集める「改葬」という風習がありました。そこから時代が変わり、火葬が一般的になった現在でも、故人を偲び、冥福を祈る気持ちは変わらず、拾骨という形で受け継がれているのです。小さな骨を拾い上げる際には、故人との思い出が蘇り、自然と涙が溢れることもあるでしょう。しかし、それは決して悲しい涙だけではありません。感謝の気持ち、愛情、そして故人を失ったことへの寂しさなど、様々な感情が入り混じった、大切な人との最後の別れだからこそこみ上げてくる涙なのです。拾骨という儀式を通して、遺族は故人との別れを改めて実感し、その死を受け入れていくことができます。そして、故人の魂は安らかに旅立ち、残された人々の心の中で生き続けることができるのです。
葬儀

現代における逆縁:葬送のしきたりと変化

- 逆縁の意味「逆縁」とは、本来であれば先に旅立つはずのない者が先にこの世を去ることを指します。 特に、子供が親よりも先に亡くなってしまう場合に用いられる言葉です。この考え方は、儒教の教えが深く関係しています。儒教では、親よりも先に子供が亡くなることは、親孝行をしなければならない子供が、その務めを果たすことなく親を置いていくことになり、親不孝の最たるものと考えられてきました。古くから日本では、子供が親よりも先に亡くなった場合、親はその子の葬儀の喪主を務めない、火葬場へ同行しないといったしきたりがありました。 また、子供が結婚している場合でも、親はその子の葬儀に参列せず、香典も辞退するのが一般的でした。これらの風習は、子供が親よりも先に亡くなることの悲しみがどれほど深いものであるかを物語っています。そして同時に、深い悲しみに暮れる親を、これ以上の苦しみから守りたいという、周囲の人々の配慮から生まれたものでもありました。現代においては、これらのしきたりを厳格に守ることは少なくなってきています。しかし、逆縁という言葉が持つ意味の重さ、そして、子供が親よりも先に亡くなることの悲しみが、決して消えることはありません。
葬儀

近親者で送る最後のお別れ「お別れの儀」

- 「お別れの儀」とは「お別れの儀」とは、故人との別れの時を惜しみ、生前の面影を偲びながら感謝の気持ちを込めて最後のお別れをする儀式のことを指します。従来の葬儀では、通夜・葬儀・告別式の後に火葬場へと向かうのが一般的でしたが、近年では「お別れの儀」を執り行うケースが増加しています。これは、核家族化やライフスタイルの変化に伴い、家族や親しい友人だけで故人を見送る家族葬が増えていることが背景にあります。「お別れの儀」は、故人と特に親しかった人々が集い、故人との思い出話に花を咲かせたり、好きだった音楽を流したり、思い出の品々を棺に納めたりするなど、自由な形式で行うことができます。形式にとらわれず、ゆっくりと時間をかけ、心ゆくまで故人との別れを惜しむことができる点が、「お別れの儀」の大きな特徴と言えるでしょう。
仏壇・仏具

故人を偲ぶ空間:後飾りの基礎知識

- 後飾りとは大切な方を亡くされた後、火葬を終え、ご遺骨と共に自宅へ帰るとき、故人をお迎えし、安置する場所を「後飾り」と呼びます。これは単なる祭壇ではなく、故人を偲び、冥福を祈るための、ご家族にとって sacred な空間となります。一般的には、二段あるいは三段に重ねた祭壇を用い、故人の遺影や位牌を中央に据えます。そして、その周囲に生前愛用されていた品や故人の好きだった花、果物、お菓子などを供えます。また、宗派によっては、香炉や燭台、りん、線香立てといった仏具を配置し、故人の魂が迷うことなく安らかに過ごせるようにと願いを込めて、灯明を灯し続けます。この後飾りの祭壇は、仏式では四十九日、神式では五十日祭を迎えるまで、故人を身近に感じながら共に過ごすための大切な場所となります。そして、故人を偲び、感謝の気持ちを込めて手を合わせることで、残されたご家族は少しずつ心の整理をつけていくことができるのです。
葬儀

葬儀後も続く想い:あと飾りの意義と役割

- あと飾りとは「あと飾り」とは、火葬を終え、遺骨となって自宅に戻られた故人を、忌明けまでの間、自宅に丁重にお迎えし、お祀りすることを言います。かつては土葬が一般的でしたが、現代では火葬が主流となり、火葬場から自宅へとご遺骨と共に戻り、故人を偲ぶ時間が生まれました。この火葬後の大切な期間に、ご遺族は深い悲しみを乗り越え、故人を偲び、冥福を祈ります。具体的には、葬儀を終え、火葬場からご遺骨と共に自宅へ戻った後、葬儀で用いた祭壇を片付け、新たに「あと飾り壇」を設けます。 このあと飾り壇は、故人が安らかに過ごせるように、また、ご遺族が故人を身近に感じ、共に過ごせるようにとの願いを込めて丁寧に用意されます。あと飾り壇には、故人の写真を中心に、生花や線香、故人の好物、愛用していた品などを供えます。また、宗派によっては、位牌や仏具なども設置します。 ご遺族は、このあと飾り壇の前で、故人との思い出を語り合ったり、感謝の気持ちを伝えます。また、食事の際に故人のために一膳供えるなど、生前と変わらぬ態度で接することで、故人の霊を慰めます。このように、あと飾りは、ただ単に故人を安置する期間ではなく、 故人を偲び、冥福を祈り、共に過ごすための大切な時間と言えます。そして、ご遺族にとっては、深い悲しみを癒やし、故人との別れを受け入れ、新たな一歩を踏み出すための心の準備期間でもあるのです。
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