死後硬直

葬儀

葬儀の裏側:死後硬直と安置の知恵

- 死後硬直とは人が息を引き取った後、しばらくすると身体中の筋肉が硬くなっていく現象を、死後硬直と呼びます。生きている間は、脳からの指令を受けて筋肉は伸び縮みを繰り返していますが、死を迎えるとこの指令が途絶えてしまいます。筋肉は、伸びたり縮んだりする際に、アデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれる物質をエネルギー源としています。生きている間は、体内で生成されるATPによって筋肉は柔軟性を保っています。しかしながら、死後、血液の循環が止まってしまうと、酸素の供給が断たれ、ATPの生成も止まってしまいます。ATPが供給されなくなった筋肉は、硬直した状態になり、これが死後硬直として現れるのです。死後硬直は、一般的に死後3~4時間後から始まり、徐々に全身に広がっていきます。そして、死後24時間ほどでピークを迎えます。その後、時間の経過とともに筋肉は再び弛緩し始め、死後72時間ほどで完全に消失します。死後硬直は、死後経過時間や死因を推定する上での重要な指標の一つとなっています。また、死後硬直の進行具合を観察することで、死後硬直が始まった時間や死後硬直が完了した時間を推定することも可能です。
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