枕飯

お供え

故人への想いを込めた枕飯:その意味と由来

- 枕飯とは人はその生涯を終えると、残された家族や親族に見守られながら、最後の別れの時を迎えます。その際に、故人が安らかに旅立てるようにと、様々な儀式が行われますが、その一つに枕飯があります。枕飯とは、読んで字のごとく、故人の枕元に供えられるご飯のことです。これは、仏教の教えに基づくものではなく、古くから日本で信仰されてきた、神道に由来する風習とされています。一般的には、お茶碗にご飯を山盛りによそい、故人の愛用していた箸を真ん中に立てて供えます。ご飯を山盛りによそうのは、故人があの世に行くまで、十分に食べていけるようにとの願いが込められています。また、箸を立てるのは、故人があの世でも食事ができるように、という意味が込められています。地域によっては、枕飯とともに、枕団子と呼ばれる団子を一緒に供えることもあります。これは、故郷を離れていく故人が、道中で困らないようにとの願いが込められています。枕飯は、故人があの世に旅立つ際に、少しでも空腹を満たせるように、そして、あの世でも元気に過ごせるように、という願いを込めて供えられるものです。残された家族や親族の、故人を偲ぶ気持ちが込められた、大切な風習と言えるでしょう。
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