板塔婆

墓石

墓石の象徴:五輪塔とその意味

- 五輪塔先祖供養の塔五輪塔は、遠い昔にインドで生まれた仏塔の一種です。海の向こうから日本へは平安時代の中頃に伝わりました。それから長い年月を経て、今では日本においても伝統的な供養塔として広く知られています。五輪塔の特徴は、五つの石が互いに積み重なって作られているという他に類を見ない形にあります。一番下の四角い形の石は「地輪」と呼ばれ、私たちが住む大地を表しています。その上に丸い形の「水輪」が乗り、水を象徴しています。さらにその上に三角形の「火輪」が置かれ、燃え盛る炎を表現しています。そして、半円形の「風輪」は風を、一番上の丸い「空輪」は空を表しています。これら五つの石は、それぞれが自然界の大切な要素を表しており、宇宙のすべてを表現しているとも言えるでしょう。五輪塔は、亡くなった方を供養するために建てられます。石の形に込められた深い意味は、私たちが生きていく上で欠かすことのできない自然への感謝の気持ち、そして宇宙の大きな流れの中で生かされているという謙虚さを教えてくれます。
お墓・霊園

お墓に寄り添う追悼の印:塔婆

お墓参りに訪れると、墓石の後ろにひっそりと佇むように、細長い板が立てられているのを目にしますよね。この板こそが、故人を偲び、冥福を祈るための大切な象徴、塔婆なのです。一見簡素に見えるその姿ですが、そこには深い意味と、故人への温かい想いが込められています。塔婆は、主に木材でできており、上部が尖った形をしているのが特徴です。その由来は、古代インドに遡ります。お釈迦様の遺骨を納めた卒塔婆と呼ばれる仏塔が起源とされており、それが中国を経て日本に伝わりました。日本では、塔婆を立てることで、故人の魂を供養し、あの世での安寧を祈るという気持ちが込められています。お墓参りの際に新しい塔婆を建立し、古い塔婆は寺院で丁重に供養するのが一般的です。塔婆には、梵字と呼ばれる古代インドの文字で、故人の戒名や建立した日付などが記されます。まるで、故人がこの世に存在した証のようにも思えます。墓石の後ろに静かに佇む塔婆。その姿は、私たちに、命の尊さ、そして、故人への感謝の気持ちを思い出させてくれるのではないでしょうか。
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