東大寺

その他

東大寺と華厳宗:壮大なスケールと深い哲学

- 華厳宗とは華厳宗は、日本仏教における主要な宗派の一つであり、その壮大で奥深い教えで広く知られています。起源は古代インドに遡り、その後中国を経て、奈良時代(8世紀)に良弁僧正によって日本に伝えられました。華厳経という経典を根本経典とし、その教えの中心には、この世界の森羅万象は、それぞれが独立しているのではなく、複雑に絡み合い、影響し合って存在しているという「縁起」の思想があります。華厳宗は、奈良時代に建立された東大寺と深く結びついています。東大寺の建立は、聖武天皇の悲願であり、国家の安寧と人々の幸福を願っての一大事業でした。華厳宗の教えは、この壮大な寺院建立の思想的基盤となり、東大寺の大仏は、華厳経の世界観を具現化した存在として多くの人々の信仰を集めました。華厳宗は、その深遠な哲学と壮大な世界観によって、日本仏教に大きな影響を与え、現在もなお多くの人々に信仰されています。
法事

「お水取り」:東大寺二月堂の不滅の祈り

古都、奈良に春の訪れを告げる行事として名高い「お水取り」。毎年3月1日から14日にかけて、東大寺二月堂で厳かに執り行われます。二月堂の本尊である十一面観音に罪を懺悔し、国家の安泰と人々の幸せを祈願する、1200年以上もの歴史を持つ伝統行事です。最大の見どころは、12日の夜に行われる「お水取り」の儀式。11人の僧侶が「練行衆(れんぎょうしゅう)」と呼ばれ、精進潔斎を尽くした後に二月堂に籠もり、人々の罪を一身に背負って厳しい修行に臨みます。そして、深夜、二月堂の舞台からはるか下にある「若狭井」と呼ばれる井戸から、観音様に捧げる香水(こうずい)を汲み上げるのです。暗闇の中、松明(たいまつ)の炎が揺らめく中で行われる様子は、神秘的な美しさに満ち溢れています。この香水は、一年に一度だけ湧き出るとされ、飲む者に無病息災の御利益があるとされています。お水取りの期間中は、多くの参拝者が訪れ、二月堂周辺は厳かな雰囲気に包まれます。古の都、奈良に春の訪れを告げ、人々の心を清める「お水取り」。その神秘的な儀式は、一度見れば忘れられない感動を与えてくれるでしょう。
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