
密葬と本葬: 二度葬儀を行う意味とは
- 本葬とは何か「本葬」とは、大切な人を亡くした際に執り行う葬儀の中でも、特に多くの人を招いて盛大に行う葬儀のことを指します。人が亡くなった際、その別れを惜しみ、冥福を祈る儀式は、規模や参列者の範囲によって呼び方が異なります。まず、故人と特に近しい関係にあったごく限られた家族や親族だけで行う葬儀を「密葬」と呼びます。密葬は、故人を亡くした悲しみの中、近親者だけで静かに故人との最後の時間を過ごしたいと考える場合や、様々な事情ですぐに葬儀が執り行えない場合などに行われます。その後、故人と生前に縁のあった友人、仕事関係者、地域の人々など、より多くの参列者を招いて行うのが「本葬」です。一般的に、私たちが「葬儀」と聞いてイメージするのは、この本葬のことを指します。本葬では、故人とのお別れを惜しむ「告別式」をはじめ、火葬や遺骨を墓に納める「納骨式」、参列者で故人を偲び食事をする「精進落とし」といった一連の儀式が行われます。近年では、密葬を行わずに、家族や親しい友人だけで故人を送る「家族葬」や「直葬」を選ぶケースも増えています。しかし、多くの人と故人の思い出を分かち合い、冥福を祈るという本葬の意義は、今も昔も変わることはありません。