
墓石に刻む、曹洞宗の教え
曹洞宗は、鎌倉時代初期に道元禅師によって中国から伝えられました。道元禅師は、仏教が本来の姿に戻ること、人々が心の安らぎを得ることを願い、中国で修行を積み、その教えを日本に持ち帰りました。その教えは、厳しい戒律の中で修行に励むのではなく、坐禅を通して仏の心を悟り、日常生活の中でその心を活かしていくというものでした。道元禅師の教えは、その後、弟子である瑩山禅師によって全国に広められました。瑩山禅師は、人里離れた山奥ではなく、人々の暮らしに近い場所で教えを広めることを重視しました。その結果、曹洞宗は武士や農民など、幅広い層の人々に受け入れられていきました。曹洞宗では、坐禅を修行の中心としています。坐禅は、ただ静かに座っているだけのように見えますが、心の中を見つめ、雑念を取り払い、心を穏やかに保つための大切な修行です。そして、その穏やかな心で日常生活を送ることが、そのまま仏の道につながると説いています。曹洞宗の教えは、現代社会においても、心の安らぎを求める人々にとって、大切な道標となっています。