
墓石の飛び石:その役割と意味
お墓参りとは、ただ手を合わせるためだけのものではなく、故人との最後の別れを告げ、その思い出を偲ぶための大切な時間です。墓前へと続く道のりは、その大切な時間を過ごすためのアプローチと言えるでしょう。墓石へのアプローチを美しく、そして意味のあるものにするために、古くから日本で親しまれてきたものがあります。それは、日本庭園などでもよく見られる、地面に置かれた平らな石、「飛び石」です。飛び石を歩くことで、ぬかるんだ土の上を歩くよりも足元が安定し、雨の日でも靴を汚す心配がありません。また、飛び石と飛び石の間には土が見えるため、緑や花々を植えることも可能です。緑や花々は、そこを訪れる人の心を和ませるだけでなく、生命の循環を感じさせ、永遠に続く命を表現する意味も持ちます。このように、墓石への道を飛び石で彩ることで、厳粛な雰囲気の中にも、故人を偲ぶ穏やかな空間が生まれます。そして、訪れるたびに、故人との思い出を静かに振り返ることができる、安らぎの場所となるでしょう。