
安置:故人を偲ぶための大切な準備
- 安置とは人が亡くなると、葬儀までの間、故人を安らかな場所で休ませておく必要があります。これが「安置」です。この間、故人は白い布で包まれ、顔には白い布を掛けられます。これは、あの世とこの世を隔てる境目とされ、神聖な状態を示しています。安置場所は、自宅や葬儀場などが一般的です。自宅に安置する場合は、故人が過ごした馴染み深い場所でゆっくりと最期の時を過ごせるという利点があります。一方、葬儀場では、専門のスタッフがおり、設備も整っているため、遺族の負担が軽減されます。安置の期間は、一般的に葬儀までですが、葬儀の日程や場所、宗教や宗派、地域などの慣習によって異なります。例えば、仏教では、亡くなってから四十九日後に行われる「四十九日法要」までを「中陰」と呼び、故人の魂がこの世とあの世をさまよう期間と考えられています。そのため、四十九日法要を終えてから納骨を行うことが多く、その間、遺骨を自宅に安置する場合もあります。安置は、単に遺体を保管する行為ではありません。遺族にとっては、故人の魂を鎮め、冥福を祈るとともに、生前の思い出を振り返り、別れを惜しむための大切な時間となります。