
葬儀に捧げる山の幸:意味と種類を知る
- 開眼供養と山の幸「開眼供養」とは、仏教において、亡くなった方の魂が新たに仏様となることを願い、仏様の目を象徴的に開く儀式のことをいいます。仏様の魂がこの世からあの世へと旅立ち、再びこの世に仏様として生まれ変わるという輪廻転生の考え方に基づき、この世に残された私たちが、故人の冥福を祈り、安らかな旅立ちを願って営まれます。この儀式では、故人があの世でも不自由なく過ごせるようにと、様々な供え物を用意します。ご飯や汁物、故人の好物といった一般的な供え物の他に、「山の幸」と呼ばれるものも重要な意味を持ちます。「山の幸」とは、山で採れる恵みの総称で、野菜や果物、きのこ、山菜などが挙げられます。自然の恵みそのものである「山の幸」を供えることは、自然への感謝の気持ちを表すと同時に、故人があの世で食べ物に困ることなく、安らかに過ごせるようにとの願いが込められています。時代とともに変化してきた葬儀の形ですが、故人を偲び、その冥福を祈る気持ちは今も昔も変わりません。開眼供養で供えられる「山の幸」には、自然と人とのつながり、そして生と死に対する深い想いが込められているのです。