墳墓

- はじめに人は誰しもいつかは人生の幕を閉じます。そして、その尊い一生の終わりに、遺された家族は故人を偲び、冥福を祈る場としてお墓を建立します。近年では、終活の一環として、生前に自身のお墓を準備する「生前墓」も一般的になりつつあります。しかしながら、いざお墓を建てる、あるいは選ぶとなると、「どのようなお墓が良いのか」「どのような点に注意すれば良いのか」迷ってしまう方も少なくありません。お墓は故人にとって永遠の安住の地となる場所であり、また、残された家族にとっても大切な場所となるため、後悔のない選択をしたいと考えるのは当然のことでしょう。そこで、このコラムでは、お墓選びの基礎知識として、まず「お墓が建つ区画の広さを表す『墳墓面積』」について詳しく解説していきます。お墓の広さは、建立できるお墓の種類や、墓石のデザイン、さらには費用にも大きく関わってくる重要な要素です。このコラムが、これからお墓について考え始める方、お墓選びで迷っている方の道しるべとなれば幸いです。

「墳墓」という言葉は、私たちが亡くなった方を弔い、その冥福を祈る上で欠かせない場所を指す言葉です。この「墳墓」という言葉、一体どのようにして生まれたのでしょうか。「墳墓」は、「墳」と「墓」の二つの漢字から成り立っています。「墳」は「土を盛り上げる」という意味を持ち、「墓」は「亡くなった方を葬るところ」を意味します。つまり「墳墓」は、文字通り「土を盛り上げて亡くなった方を葬るところ」という意味になるのです。これは、はるか昔の埋葬方法に由来しています。古代の人々は、亡くなった方を丁重に土に葬り、その上に土を高く盛り上げて塚を作りました。この、土を盛り上げて作った塚こそが、現在の「墳墓」の語源となったのです。時代が流れ、埋葬方法や墳墓の形は変化してきましたが、「墳墓」という言葉とその意味は、脈々と受け継がれています。私たちが「墳墓」と聞いて思い浮かべる墓石や、緑に囲まれた墓地も、元を辿れば、古代の人々が亡くなった方を弔うために土を盛り上げた、その行為に繋がっていると言えるでしょう。