
日本の伝統:在来仏教の13宗派
- 在来仏教とは仏教は、6世紀頃に日本に伝来しました。海を渡って遠くインドから伝えられた教えは、瞬く間に人々の心を捉え、長い年月をかけて日本中に広がっていきました。そして、この長い歴史の中で、様々な宗派が生まれました。その中でも、鎌倉時代より前に成立した13の宗派を、特に「在来仏教」と呼びます。鎌倉時代といえば、武士が政治の実権を握り、新しい時代が幕を開けた時代です。つまり、在来仏教は、それ以前の貴族や天皇中心の時代から、既に人々の間で信仰を集めていたことになります。具体的には、華麗な教えで知られる華厳宗、阿弥陀仏への信仰を大切にする浄土宗や浄土真宗、厳しい修行で悟りを目指す律宗、密教の教えを伝える天台宗や真言宗など、実に多様な宗派が存在します。その他にも、法相宗、三論宗、時宗、融通念仏宗、臨済宗、曹洞宗、日蓮宗と、それぞれ異なる教えや修行方法を持ちながらも、これらの宗派は、日本の文化や思想に深く根付いていきました。法要の形式や、お寺の建築様式、仏像の造形、さらには、書画や文学、芸能など、様々な文化に、在来仏教の影響を見ることができます。現代社会においても、冠婚葬祭や年中行事など、私達の暮らしの中に、在来仏教は息づいています。