
お墓のあの板は何?卒塔婆の役割と意味
静かな墓地に足を踏み入れると、お墓の後ろに細長い板が立っていることに気づかれるでしょう。まるで故人が静かに佇んでいるかのように、その姿はどこか厳粛な雰囲気を漂わせています。この板は「卒塔婆」と呼ばれ、単なる板切れではなく、亡くなった方を供養するための大切な役割を担っています。卒塔婆は、故人の冥福を祈り、あの世での幸せを願う気持ちを表すものです。その起源は古代インドにまで遡り、仏教の伝来とともに日本にも伝えられました。卒塔婆には、故人の戒名や没年月日、そして経文などが記されています。お墓参りの際には、この卒塔婆に手を合わせ、故人を偲び、感謝の気持ちを伝えます。また、卒塔婆は、故人の霊が迷わずあの世にたどり着けるよう、道標としての役割も担っていると言われています。墓地で見かけるあの板、卒塔婆。それは、私たちが故人への想いを託し、語りかけるための大切な懸け橋なのです。