
故人との最後の晩餐、出立ちの膳とは
- 出立ちの膳とは「出立ちの膳」とは、故人があの世へと旅立つ前に、生前の思い出を語り合いながら、家族や親族が共に最後の晩餐を囲む日本の伝統的な風習です。かつては、通夜や葬儀に遠方から訪れた人々が、故郷へ戻る際に、無事に帰れるようにと振る舞われた名残ともいわれています。地域によって呼び名は異なり、「仕え膳」や「送り出しの膳」、「旅立ちの膳」などとも呼ばれます。出立ちの膳には、故人が生前好んだ料理や飲み物を用意するのが一般的です。家族が心を込めて作った料理を囲みながら、在りし日の故人を偲び、労をねぎらう大切な時間となります。近年では、葬儀の簡素化に伴い、出立ちの膳を省略するケースも増えているようですが、家族や親族が集い、故人との思い出を共有し、別れを惜しむ大切な機会として、この伝統的な風習を見直してみてはいかがでしょうか。