
旅立ちの姿、死装束とその意味
- 死装束とは死装束とは、故人があの世へと旅立つ際に身にまとう衣服のことです。故人の冥福を祈り、あの世での安寧を願って、家族や親しい人々が心を込めて準備します。死装束は、単なる衣服ではありません。この世への未練を断ち切り、あの世への旅路を安全に歩めるようにとの願いが込められています。古くから日本では、死は穢れと結びつけられてきました。そのため、死装束は故人を清め、神聖な存在へと導くための儀式的な意味合いも持っていました。現代においても、死装束には白い着物が用いられることが多いです。これは、白が清浄さを象徴し、再生への希望を表していると考えられているからです。また、着物の襟を合わせず、逆さに着せるという風習も残っています。これは、あの世とこの世を区別し、故人が迷わずに成仏できるようにとの願いが込められています。このように、死装束には、古くからの伝統と、故人への深い愛情が込められているのです。