伝統的なお墓

墓石

お墓の「猫足」:古き良き時代の象徴

お墓の装飾というと、あまり馴染みがない方が多いかもしれません。「猫足」という言葉をご存知でしょうか?あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、お墓の世界では古くから親しまれてきた、可愛らしい名前の装飾なのです。「猫足」とは、お墓の台座部分に見られる、内側に丸く巻き込むような形の装飾のことを指します。その名の通り、まるで猫がちょこんと足を丸めているような、愛らしい形が特徴です。この猫足、ただ可愛らしいだけではありません。その歴史は深く、古代エジプト文明にまで遡ると言われています。当時、猫は神聖な動物として崇められており、その美しい曲線を模した猫足は、お墓に神聖さと気品を添える装飾として、王族のお墓などによく用いられていました。日本では、仏教伝来とともに中国から伝わったとされ、寺院の建築や仏壇などにも見られます。お墓においても、伝統的な和型墓石の台座部分に施されることが多く、その優雅な曲線は、時代を超えて多くの人々を魅了してきました。しかし、近年では、洋型墓石の普及や、シンプルなデザインのお墓が好まれるようになり、猫足を目にする機会は以前と比べて少なくなってきています。それでも、その愛らしい形と歴史的な背景から、根強い人気を誇るデザインであることに変わりはありません。
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