
神道の墓「奥都城・奥津城」とは
日本では古くから、亡くなった方を弔い、その魂を偲ぶために様々な儀式や風習が大切にされてきました。そして、亡くなった方が眠る場所、またその魂が鎮まるとされる場所にも、それぞれ異なる意味合いが込められています。仏教では、亡くなった方の魂は「浄土」と呼ばれる世界へ旅立ち、そこで安らかに過ごすとされています。そして、その方が生前に過ごした証として、遺骨を納めた場所を「お墓」と呼びます。「お墓」は、故人が眠る場所として、遺族が訪れ、手を合わせ、語りかけ、花や線香を供えて故人を偲ぶ場となります。一方、神道の考え方では、人の魂は肉体から離れた後も存在し続け、「祖霊」となって子孫を見守り、幸福へと導いてくれると考えられています。そして、その「祖霊」を祀る神聖な場所として、「奥都城」または「奥津城」と呼ばれる場所が設けられます。「奥都城」と「奥津城」はどちらも同じ意味合いで用いられ、そこには故人の遺骨が納められています。この場所は、単に遺骨を納める場所としてではなく、子孫が「祖霊」と繋がり、その加護と導きを祈るための大切な場所として大切にされています。このように、仏教の「お墓」と神道の「奥都城」「奥津城」は、その呼び名だけでなく、その場所に込められた意味合いも異なっているのです。