日蓮聖人の御遺徳を偲ぶ「御会式」

日蓮聖人の御遺徳を偲ぶ「御会式」

「御会式」とは

– 「御会式」とは「御会式」とは、日蓮宗の開祖である日蓮聖人のご命日である10月12日を中心に行い、13日にわたって執り行われる、日蓮宗において最も重要な法要です。 この法要は、単に宗祖の命日を悼むだけでなく、日蓮聖人が生涯をかけて私たちに伝えようとした「仏法」への感謝の思いを新たにし、その教えを深く心に刻むための大切な儀式として位置づけられています。御会式は、日蓮聖人が亡くなられた1282年（弘安5年）10月13日に、お弟子である弟子檀那が、悲しみに暮れながらも、報恩感謝の気持ちを込めて法要を営んだことに始まります。鎌倉時代から現代に至るまで、長い歴史の中で受け継がれてきた伝統的な儀式です。法要では、日蓮聖人の教えを記したお経である「法華経」を読誦し、題目を唱えます。また、「万灯練り歩き」と呼ばれる、色鮮やかに装飾された万灯を掲げ、街を練り歩く伝統的な行事も各地で行われます。夜空を彩る万灯の灯りは、日蓮聖人の慈悲の光を象徴し、人々の心を温かく照らします。御会式は、日蓮宗の信者にとって、一年の中で最も大切な行事の一つです。この日蓮聖人のみ教えを再確認し、自らの信仰を深めるとともに、日蓮聖人の慈悲の光を胸に、より良い社会を築くために行動を起こしていくことを誓います。

日蓮聖人とその教え

鎌倉時代中期、世の中は不安定で人々の心は苦悩に満ちていました。そんな中、一人の僧侶が立ち上がり、人々を救う道を説き始めました。それが日蓮聖人です。日蓮聖人は、様々な仏教の経典の中でも特に「法華経」に深く感銘を受けました。法華経には、身分や性別、年齢に関係なく、すべての人が平等に仏の道を歩み、悟りを開くことができるという教えが説かれており、日蓮聖人はこれが乱れた世の中を救う唯一の道だと確信したのです。

日蓮聖人は、力強く情熱的な言葉で法華経の教えを説き、人々を苦しみから救おうとしました。しかし、その教えは当時の人々にとって、あまりにも斬新で受け入れがたいものでした。権力者や他の仏教宗派からは激しい迫害を受け、投獄されたり、命を狙われたこともありました。それでも日蓮聖人は、自身の信念を曲げることなく、生涯を通じて法華経を広め、人々を救済することに命を捧げました。その結果、日蓮聖人の教えは多くの人々の心を打ち、時代を超えて受け継がれていくことになりました。

全国各地の寺院で盛大に

毎年10月13日は、日蓮聖人が亡くなられた日として、日蓮宗にとって特に重要な日として知られています。この日、全国各地の日蓮宗寺院では、聖人の遺徳を偲び、「御会式」と呼ばれる法要が盛大に営まれます。

中でも、日蓮聖人が晩年を過ごした身延山久遠寺で行われる御会式は、特に盛大です。全国から多くの僧侶や参拝者が集まり、厳かな読経とともにお香が焚きしめられます。境内は、聖人の教えを敬う人々の心からの祈りで満ち溢れ、厳粛な雰囲気が漂います。

夕刻になると、境内には無数の提灯が灯されます。この提灯の灯りは、日蓮聖人の教えを後世に伝えるとともに、人々の心の闇を照らすという意味が込められています。

参拝者は、日蓮聖人の教えに触れ、自らの人生について深く考える貴重な機会として、この日に参拝します。そして、聖人の教えを胸に刻み、それぞれの故郷へと戻っていくのです。

「万灯練り供養」

日本の秋の風物詩として親しまれているのが、日蓮宗の宗祖である日蓮聖人の命日に行われる「御会式（おえしき）」です。

この御会式の夜には、多くの寺院で「万灯練り供養」が行われます。これは、日蓮聖人の教えを象徴する、たくさんの提灯をつけた纏のような「万灯」と呼ばれる灯籠を掲げ、多くの人々が題目を唱えながら街中を練り歩く、伝統的な行事です。

万灯の柔らかな灯りは、人々の心の闇を照らし、希望を与えると言われています。また、その幻想的な光景は、地域の人々にとって秋の訪れを感じさせる、大切な風物詩となっています。

近年では、伝統的な仏教行事としての枠を超え、地域住民が一堂に会する貴重な機会としても注目されています。万灯練り供養に参加することで、地域社会とのつながりを感じ、心の安らぎを得られる人も少なくありません。

日蓮聖人の教えに触れながら、秋の夜空に浮かぶ万灯の灯りに、静かに心を寄せてみてはいかがでしょうか。

御会式に参加しよう

毎年10月11日から13日にかけて、全国各地の日蓮宗寺院で「御会式(おえしき)」と呼ばれる法要が盛大に執り行われます。これは、日蓮聖人の命日である10月13日に、聖人の生涯を偲び、その教えに感謝を捧げる重要な行事です。

御会式は、日蓮宗の信者にとって特別な意味を持つだけでなく、宗派を超えて多くの人々が集まる行事としても知られています。一般の方々も自由に参加できますので、気軽に足を運んでみてください。

御会式では、「万灯練供養」と呼ばれる、色鮮やかな万灯を掲げた行列が行われるのが大きな特徴です。これは、日蓮聖人が亡くなる間際に、悲しみに暮れる弟子たちを励ますために、まばゆい光を放ちながら出現したという故事に由来しています。

また、寺院では、日蓮聖人の生涯を描いた紙芝居や、法話が分かりやすく解説されるなど、仏教や日蓮聖人の教えに触れることができる貴重な機会も提供されています。さらに、甘酒やお餅などが振る舞われることもあり、地域のお祭りとしても親しまれています。

日蓮聖人の教えやその生涯に興味のある方はもちろん、地域の伝統行事に触れてみたいという方も、ぜひお近くの寺院で開催される御会式に足を運んでみてはいかがでしょうか。