盂蘭盆会とご先祖様への想い
葬儀と墓石を知りたい
先生、「盂蘭盆会」って言葉は初めて聞きました。お葬式でするの?
葬儀と墓石の研究家
よく聞いてくれたね!「盂蘭盆会」はお葬式でする言葉ではないんだ。お盆の期間にする行事のことなんだよ。
葬儀と墓石を知りたい
お盆でする行事のことなんですか?じゃあ、お葬式でするんじゃなくて、ご先祖様をお迎えする期間にすることですか?
葬儀と墓石の研究家
その通り!「盂蘭盆会」はお盆の正式な呼び方で、ご先祖様をあの世からお迎えして、感謝の気持ちを伝える行事のことなんだよ。
盂蘭盆会とは。
お葬式で使われる言葉の一つに「盂蘭盆会(うらぼんえ)」があります。これは、一般的には「お盆」として知られる仏教の行事のことです。昔は、月の動きをもとにした暦の7月15日をメインに、7月13日から16日までの4日間かけて行われていました。しかし、現在では太陽の動きをもとにした暦に合わせて行ったり、ひと月遅らせて8月15日の前後に行ったり、昔ながらの暦を使い続けるなど、地域や家庭によってさまざまな方法で行われています。
盂蘭盆会とは
– 盂蘭盆会とは盂蘭盆会は、一般的に「お盆」と親しまれている、仏教の行事の一つです。この時期は、あの世からご先祖様の霊があの世から帰ってくるとされ、家族や親族が集まり、共に過ごした日々を懐かしみ、感謝の気持ちを表します。元々は旧暦の7月15日を中日として、7月13日から16日までの4日間を中心に行われていました。しかし、現代では、地域や家庭の事情に合わせて、新暦の8月15日前後に合わせて行われる場合や、旧暦のまま7月に行われる場合など、さまざまです。お盆の期間中は、精霊棚(しょうりょうだな)と呼ばれる棚を設け、故人の好物や季節の果物、花などを供え、灯籠を灯してご先祖様の霊を迎えます。また、お墓参りをして墓を清め、お供え物をして故人を偲びます。お盆の最終日には、「送り火」として、迎え火とは反対の川の堤防などで火を焚いたり、灯籠を流したりして、あの世へと帰っていくご先祖様の霊を送り出します。盂蘭盆会は、単なる宗教行事ではなく、家族や親族との絆を再確認し、命の尊さや感謝の気持ちを育む大切な機会として、現代社会においても重要な意味を持っています。
項目 | 内容 |
---|---|
行事名 | 盂蘭盆会(お盆) |
由来 | 仏教行事 |
期間 | 旧暦7月13日~16日 現代では、新暦8月15日前後や旧暦7月に合わせて行う場合も |
目的 | あの世から帰ってくるご先祖様の霊を迎え、感謝の気持ちを表す |
主な内容 | ・精霊棚を設け、故人の好物や季節の果物、花などを供え、灯籠を灯す ・お墓参りをして墓を清め、お供え物をする ・最終日には送り火を行い、ご先祖様の霊を送り出す |
現代社会における意味 | 家族や親族との絆を再確認し、命の尊さや感謝の気持ちを育む大切な機会 |
ご先祖様との再会
日本では、毎年夏の暑い時期に「お盆」と呼ばれる期間を迎えます。この時期は、あの世からご先祖様の霊がこの世に帰ってくると信じられており、家族や親戚一同が集まり、共に過ごす大切な時間となっています。
仏壇には、故人の好物や季節の果物、故人を偲ぶ気持ちを込めた色とりどりの花などが供えられ、線香の香りが漂う厳かな空間が生まれます。そして、家族揃って手を合わせ、ご先祖様の霊を温かく迎え入れます。
食卓を囲む際には、懐かしい思い出話に花が咲きます。楽しかった出来事や、教訓になった出来事を語り継ぐことで、世代を超えて家族の絆を再確認することができるのです。
お盆は、単なる休暇ではなく、ご先祖様との繋がりを再確認し、感謝の気持ちを捧げる、日本人にとって大切な意味を持つ伝統行事と言えるでしょう。
盆提灯の灯り
晩夏の夕暮れ時、家々の軒先に灯る盆提灯の柔らかな光は、どこか懐かしく、そして優しい気持ちにさせてくれます。お盆の時期になると、私たちは先祖の霊を家に迎え、共に過ごします。盆提灯の灯りは、あの世から長い道のりを経て帰ってくるご先祖様が迷わずに家にたどり着けるよう、道標として灯されると言われています。
提灯の灯りは、故人への感謝の気持ちを表すものでもあります。生前私たちを優しく包み込んでくれた温かさ、そして共に過ごした大切な日々への想いを込めて灯りを灯します。
また、その柔らかな光は、静かに故人を偲ぶ心を照らしてくれるかのようです。楽しかった思い出、語り尽くせなかった想い…、揺らめく灯火を見つめながら、故人との記憶をゆっくりと辿るひとときは、私たちを深い懐かしさと穏やかな気持ちに導いてくれることでしょう。
お墓参り
日本では古くから、お盆の時期になると、ご先祖様の霊がこの世に戻って来ると信じられてきました。そして、ご先祖様と再会し、共に過ごすために、お墓参りをすることが大切な習わしとなっています。
お墓参りは、ただ単にお墓を訪れるだけではありません。ご先祖様への感謝の気持ちを表す、大切な儀式です。まずは、墓石に積もった埃や汚れを丁寧に落とすことから始めましょう。そして、草むしりをして、お墓の周りを綺麗にすることで、ご先祖様を丁重にお迎えする準備をします。
綺麗になったお墓には、新鮮な花や線香、故人が生前好んでいた食べ物などを供えます。そして、静かに手を合わせ、感謝の言葉を伝えます。懐かしい思い出話や近況報告など、心の中で語りかけるのもよいでしょう。
お墓参りは、ご先祖様と心を通わせ、自分たちのルーツを再確認する貴重な機会です。日々の喧騒を離れ、静寂の中でお墓参りをすることで、命の尊さや家族の絆について改めて深く考えさせられるのではないでしょうか。
現代のお盆
現代社会は目まぐるしいスピードで変化し、人々の生活様式も大きく変化しました。このような変化は、古くから受け継がれてきた日本の伝統行事であるお盆にも影響を与えています。
かつては、お盆の時期になると、誰もが故郷に帰省し、家族全員が集まって先祖の霊を迎え、供養することが一般的でした。仏壇には故人の好物や季節の果物が供えられ、線香の香りが漂う静寂の中、家族が寄り添い、懐かしい思い出話に花を咲かせる光景が見られました。
しかし、現代では、核家族化やライフスタイルの多様化が進み、伝統的なお盆の過ごし方が難しくなっているのも事実です。仕事の都合や遠方への移住などにより、お盆に故郷へ帰省できない人や、簡略化された形で先祖の霊を供養する家庭も増えています。また、レジャー志向の高まりから、お盆期間を利用して旅行に出かける家族も見られるようになりました。
このように、現代のお盆の過ごし方は多様化しており、一概に良い悪いを断言することはできません。大切なことは、それぞれの家庭の状況や価値観に合わせて、先祖を敬い、感謝の気持ちを伝えることではないでしょうか。伝統的な風習を大切に守り続けることも、現代の生活様式に合わせた新しい形の供養を行うことも、どちらも故人を偲び、その魂と心を繋ぐ大切な行為であることに変わりはありません。
時代 | お盆の過ごし方 |
---|---|
かつて | – 誰でも故郷に帰省 – 家族全員で先祖の霊を迎え、供養 – 仏壇に故人の好物や季節の果物を供える – 静寂の中、家族が寄り添い、思い出話をする |
現代 | – 核家族化やライフスタイルの多様化 – 仕事や遠方への移住により帰省が困難 – 簡略化された形での供養 – レジャー志向の高まりから旅行を選択する人も |
共通 | – 先祖を敬い、感謝の気持ちを伝えることが大切 |