香典返し：感謝の気持ちと共にお贈りする贈り物

香典返し：感謝の気持ちと共にお贈りする贈り物

香典返しとは

– 香典返しとは

香典返しとは、葬儀や法要に際し、故人を偲び弔問いただいた方々からいただいた香典に対して、感謝の気持ちを込めて贈る返礼品のことです。

古くは、葬儀に参列してくれた方々に、餅や菓子などを持ち帰ってもらったことが由来とされています。これは、葬儀に携わってくれた人々への労いと共に、故人の霊を分け与え、共に供養するという意味合いが込められていました。

現代では、葬儀当日に返却する「当日返し」もありますが、一般的には、四十九日の忌明け法要後に、「忌明けの挨拶状」と共に贈るのが一般的です。

香典返しには、「いただいたご厚意は、後に必ずお返しする」という意味が込められており、感謝の気持ちを表すとともに、今後も故人を忘れずにいてほしいという願いが込められています。

品物を選ぶ際には、故人の好きだったものや、贈る相手の家族構成、年齢層などを考慮し、感謝の気持ちが伝わるようにするのが良いでしょう。

香典返しの品物

– 香典返しにふさわしい品物とは香典返しは、通夜や葬儀に際しいただいた香典へのお返しとして、感謝の気持ちを込めて贈るものです。一般的には、四十九日の忌明け後に贈るのが慣習とされています。香典返しの品物を選ぶ際には、「消え物」であることが重要視されます。これは、いただいた香典を「食べてなくす」「使ってなくなる」ことで、故人との別れを偲び、感謝の気持ちを形にするという意味が込められているからです。具体的には、海苔やお茶、調味料といった食品や、タオルなどの日用品がよく選ばれます。相手の家族構成や好みを考慮することも大切です。例えば、お子様のいる家庭にはお菓子を添えたり、高齢の方には食べやすいものを選んだりするなど、細やかな気遣いを示すことが大切です。近年では、カタログギフトを選ぶ方も増えています。カタログギフトは、贈る相手が欲しいものを自由に選べるため、相手の満足度が高いというメリットがあります。消え物ではないという点で懸念される方もいるかもしれませんが、最近では食品や体験など、幅広いジャンルのカタログギフトも充実しており、選択肢の一つとして考えられます。

香典返しの金額の目安

ご葬儀に際しましては、ご香典という形でご弔意を賜り、誠にありがとうございます。ご香典のお返しとしましては、一般的にいただいた金額の半額から3分の1程度を目安にお贈りするのが通例とされています。

例えば、5,000円のご香典をいただいた場合には2,500円から3,000円相当、10,000円の場合は5,000円から6,000円相当のお品をお贈りすることが多いようです。

ただし、地域やご家族、親族間での慣習などにより異なる場合もございますので、事前にご親族や地域の長老の方にご相談されることをおすすめいたします。

また、高額なご香典をいただいた場合など、いただいたご厚意に対して十分なお礼が難しいと感じる場合には、香典返しとは別に、後日改めてお礼の気持ちをお伝えする場を設けることも考えられます。

香典返しに添えるお礼状

– 香典返しに添えるお礼状

香典返しは、故人を偲び、温かいお気持ちで見送ってくださった方々への感謝の気持ちを表す大切なものです。
いただいた香典は、通夜や葬儀の費用、そして故人を偲ぶための仏事などに大切に使わせていただきます。

香典返しには、感謝の気持ちを伝えるお礼状を添えましょう。
お礼状は、故人を偲んでくださったことへの感謝の気持ち、香典をいただいたことへのお礼、そして今後も変わらぬお付き合いをお願いする言葉などを記します。

便箋は、白地のシンプルなものが適しています。
ボールペンや万年筆ではなく、筆ペンまたは毛筆で丁寧に書くようにしましょう。

お礼状を書く際には、時候の挨拶を添え、忌み言葉や重ね言葉を使わないように注意しましょう。
また、故人の生前のご厚情に対する感謝の気持ちや、香典返しを受け取っていただいたことへのお礼も忘れずに伝えましょう。

香典返しは、四十九日法要後、遅くとも一周忌までにお贈りするのが一般的です。
お礼状と共にお送りすることで、感謝の気持ちがより一層伝わることでしょう。

香典返しを辞退する場合

– 香典返しを辞退する場合

近年は、葬儀にかける費用を抑えたり、遺族の負担を少しでも減らしたりするために、香典返しを辞退される方が増えています。

会社や団体で香典返しを辞退する方針の場合や、ご遺族が香典返しを辞退される場合は、香典返しの辞退を記載した封筒を香典と一緒に渡すのが一般的です。封筒には、「香典返しは固くご辞退申し上げます」などと記載します。

香典返しを辞退する場合、葬儀に参列してくださった方々に失礼にあたらないか心配される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、香典は故人を偲び、遺族を慰めるためのものですから、辞退したからといって失礼にあたることはありません。

香典返しの辞退の意向は、葬儀の場で直接伝えたり、葬儀のお知らせに記載したりするなど、さまざまな方法があります。分かりやすく丁寧に伝えることが大切です。

また、地域によっては香典返しの習慣自体がない場合もあります。不安な場合は、葬儀社に相談してみるのも良いでしょう。

香典返しに対するお礼

– 香典返しに対するお礼香典返しは、故人への弔意に対する感謝の気持ちを表すものであり、受け取った側が改めてお礼をする必要はありません。これは、香典返しに「すでに感謝の気持ちは表されている」と考えるためです。香典返しに添えられたお礼状を受け取った場合でも、同様です。感謝の気持ちが伝わっているので、返信は不要とされています。ただし、香典返しを受け取った後、相手と顔を合わせた時や、電話などで話す機会があれば、改めて感謝の気持ちを伝えると、より丁寧な印象を与えます。その際、「わざわざお気を遣っていただきありがとうございます」「心温まるお品をありがとうございました」など、感謝の気持ちが伝わる言葉を添えましょう。また、忌み言葉や重ね言葉を使わないように注意することも大切です。「繰り返し」を連想させる「度々」「くれぐれも」や、「不幸が続く」ことを連想させる「重ね重ね」といった言葉は避け、失礼のないように心がけましょう。