僧侶の教えを形にする袈裟：その種類と意味

僧侶の教えを形にする袈裟：その種類と意味

葬儀と墓石を知りたい

先生、葬式で僧侶が着ている袈裟って、なんでつぎはぎだらけなんですか？

葬儀と墓石の研究家

いい質問だね！昔はね、修行僧は質素な生活をするために、ボロボロになった布をつなぎ合わせて袈裟を作っていたんだよ。だから「糞掃衣（ふんぞうえ）」なんて呼ばれていたこともあるんだ。

葬儀と墓石を知りたい

えー！ボロボロの布なんですか！？でも、今の袈裟は新品みたいに見えますけど…

葬儀と墓石の研究家

そうなんだ。今では新品の布で作られることがほとんどだね。それに、故人の着物で袈裟を作って、供養することもあるんだよ。

袈裟とは。

お葬式で「袈裟」という言葉を見聞きすることがあるかと思いますが、袈裟とは、お坊さんが普段着ている衣の上から羽織る衣装のことです。左の肩から右の脇の下を通って体に巻きつけるようにして着ます。この袈裟は、四角い布をパズルのようにつなぎ合わせて作られています。元々は、昔のインドでお坊さんが身にまとっていた「三衣」と呼ばれるものが始まりとされています。三衣とは、 worldly desiresを捨てて、つつましい生活を送る修行僧が、三種類の衣服を持つことを許されたことを指します。また、袈裟は「糞掃衣」と呼ばれることもありますが、これは昔は道端に捨てられていたようなボロ布が使われていたためです。現在では新品の布が使われており、亡くなった方の着物を使って袈裟を作り、お供えすることもあります。袈裟は、縫い合わせる布の枚数によって、五条、七条、九条から二十五条までの３種類に分けられます。いずれも奇数なのは、割り切れないことから縁起の良い数と考えられているからです。

袈裟とは

– 袈裟とは袈裟とは、仏教の僧侶が身にまとう、仏の教えと精神を象徴する大切な衣服です。法衣の上に着用し、左肩から右側の脇の下へと体を包むようにまといます。一見すると一枚の布のように見えますが、実際には四角い布を縫い合わせて作られた、パッチワークのような構造をしています。この独特な形は、古代インドの出家僧が身にまとっていた「三衣」に由来します。「三衣」とは、厳しい修行に励む僧侶が、質素な生活を送る上で、３種類の衣類を持つことを許可されていたことを意味します。袈裟は、この「三衣」の精神を受け継ぎ、現代に伝えられたものです。袈裟には、仏教の教えである「糞掃衣（ふんぞうえ）」の精神が込められています。「糞掃衣」とは、本来、修行僧がゴミ捨て場などに捨てられていた布を拾い集め、縫い合わせて作った衣服のことです。僧侶は、このような粗末な衣服を身にまとうことで、物欲を捨て去り、仏の教えに専念する心を表していました。現代の袈裟は、布を縫い合わせて作られている点は同じですが、色や素材、模様など、宗派や僧侶の位によって様々な種類があります。しかし、そのどれもが、仏教の教えと精神、そして質素な生活を送るという誓いを象徴する、大切な意味を持っているのです。

袈裟の由来

– 袈裟の由来

お釈迦様の教えである仏教では、修行僧の衣服を袈裟と呼びます。
その起源は、古代インドにまで遡ります。
当時、仏教の修行僧は「糞掃衣(ふんぞうえ)」と呼ばれる衣服を身にまとっていました。
糞掃衣とは、その名の通り、道端に捨てられていた布きれなどを拾い集め、縫い合わせて作った衣服のことです。

不要になった布を再利用することで、修行僧たちは物質への執着を捨て去り、修行に専念する意志を表していました。
質素を旨とする仏教の教えが、衣服にも色濃く反映されていると言えるでしょう。

現代においては、衛生面などの理由から、新品の布で仕立てられた袈裟が一般的となっています。
しかしながら、故人の着物などを用いて袈裟を仕立てることもあります。
これは、故人の思い出の品を身近に置くことで故人を偲び、また、その布を新たな形で使い続けることによって、故人を供養するという意味合いが込められているのです。

このように、長い歴史の中で受け継がれてきた袈裟は、仏教の教えと、故人への想いが込められた奥深い衣服と言えるでしょう。

袈裟の種類

– 袈裟の種類お寺の僧侶が身にまとっている袈裟。仏教の教えを守るという意味が込められており、サンスクリット語で「壊色（えしき）」、つまり「濁った色」を意味します。これは、仏教においては華美な服装を戒め、質素な色合いの衣をまとうべきとされているためです。

この袈裟は、一枚の布で作られているわけではなく、実は複数枚の布を縫い合わせて作られています。そして、その縫い合わせる布の枚数によって、袈裟の種類が細かく分かれています。

一般の在家信者が着用するものは五条袈裟と呼ばれ、五枚の布を縫い合わせて作られています。一方、僧侶が身につける袈裟は、七条、九条、十一条、十三条、十五条、十七条、十九条、二十一条、二十三条、二十五条と、五条袈裟よりも多くの枚数の布で仕立てられます。

なぜ、このように枚数に違いがあるのかというと、それは修行の度合いを表しているからです。修行を積み重ね、高い位につく僧侶ほど、より多くの布を縫い合わせた袈裟を着用します。

つまり、袈裟の枚数を見れば、その僧侶の修行の深さを推し量ることができるのです。

袈裟の種類	布の枚数	着用者
五条袈裟	5枚	一般の在家信者
七条袈裟九条袈裟十一条袈裟十三条袈裟十五条袈裟十七条袈裟十九条袈裟二十一条袈裟二十三条袈裟二十五条袈裟	7枚 9枚 11枚 13枚 15枚 17枚 19枚 21枚 23枚 25枚	僧侶（修行の度合いにより異なる）

袈裟の象徴

– 袈裟の象徴

お寺の仏様の前に座す僧侶の姿を思い浮かべてみてください。鮮やかな Saffron 色の布を身にまとっているのではないでしょうか。

私たちはその布を「袈裟」と呼びますが、袈裟は単なる衣服ではありません。仏教の教えと僧侶の精神性を象徴する、大切な意味を持っているのです。

袈裟をよく見てみると、一枚の布ではなく、実は小さな布をパッチワークのように繋ぎ合わせて作られていることに気が付きます。
この形には、貧富や身分、性別などに関わらず、あらゆる人々を分け隔てなく救済するという仏教の大切な理念が込められています。

また、僧侶にとって袈裟を身につけるということは、仏の弟子として、人々を導く存在であることを自覚するという意味合いも持ちます。

袈裟は、仏教の教えと僧侶の精神性を目に見える形で表す、まさに象徴と言えるでしょう。

項目	説明
袈裟の色	Saffron 色 (鮮やかな黄色)
袈裟の構造	小さな布をパッチワークのように繋ぎ合わせたもの
袈裟の象徴的な意味	– 貧富や身分、性別などに関わらず、あらゆる人々を分け隔てなく救済するという仏教の理念 – 仏の弟子として、人々を導く存在であることを自覚するという意味合い