白張提灯:葬儀と新盆に灯すその意味
葬儀と墓石を知りたい
先生、「白張提灯」ってなんですか?普通の提灯と何が違うんですか?
葬儀と墓石の研究家
良い質問だね!「白張提灯」は、お葬式や故人を偲ぶ時に使う特別な提灯のことだよ。普通の提灯と違って、絵や模様が入っていない白い提灯なんだ。
葬儀と墓石を知りたい
へえー、真っ白なんですね。なんで白い提灯を使うんですか?
葬儀と墓石の研究家
白は、日本では古くから神聖な色とされていて、故人の魂を清める意味があると言われているんだ。また、白い提灯には、故人が迷わずあの世に旅立てるようにという願いも込められているんだよ。
白張提灯とは。
お葬式で使う「白張提灯」っていうのは、家紋や模様が入っていない提灯のことです。お葬式やお盆の最初に使うんだよ。
白張提灯とは
– 白張提灯とは白張提灯とは、その名の通り白い和紙を張った提灯のことを指します。私たちが普段目にし、提灯と聞いて思い浮かべるのは、おそらく祭りなどで使われる、赤や青、黄色といった鮮やかな色彩で彩られ、華やかな絵柄が描かれたものが多いでしょう。しかし、白張提灯はそれらの提灯とは全く異なり、白い和紙を用い、そこに一切の紋や絵柄を入れることなく仕上げられます。では、なぜ白張提灯は白い無地の和紙が使われているのでしょうか。それは、白という色が持つ「清浄さ」や「神聖さ」を表しているとされています。日本では古くから、白は神聖な色とされ、神事など特別な儀式に用いられてきました。そのため、故人を見送り、冥福を祈る葬儀の場においても、白張提灯が相応しいとされています。また、白張提灯には、故人の魂を迷わせることなく、あの世へと導くという意味も込められています。白という色は、光を反射する色であることから、故人の魂が迷うことなく、安らかに成仏できるようにと願いが込められているのです。このように、白張提灯は単なる照明としてではなく、故人を偲び、冥福を祈る心を込めて灯される、特別な意味を持つ提灯なのです。
特徴 | 意味 |
---|---|
白い無地の和紙を使用 | 清浄さ、神聖さを表す 神聖な儀式に用いられる白は、葬儀にも相応しいとされる |
紋や絵柄がない | 故人の魂を迷わせず、あの世へ導く 光を反射する白は、故人の魂が安らかに成仏できるようにとの願いが込められている |
葬儀における白張提灯
葬儀の会場に足を踏み入れると、柔らかな光を放つ白張提灯が目に入ることが多いのではないでしょうか。古くから日本で親しまれてきた白張提灯は、単なる照明ではなく、故人の霊をあの世へと導くための大切な役割を担っています。
提灯の白い色は、清浄や神聖さを象徴し、故人が迷うことなくあの世へと旅立てるようにとの願いが込められています。また、白張提灯は、周囲の人々に対して、その家がご不幸に見舞われたこと、そして故人があの世へと旅立ったことを知らせる役割も果たしています。
葬儀の際には、通夜や告別式の会場に飾られるだけでなく、葬儀後には親族が持ち帰り、自宅に飾ることが一般的です。そして、四十九日の忌明けを迎えるまで、故人の霊を慰め、見守るための大切な灯りとして、静かに灯り続けます。
このように、白張提灯は、故人の旅立ちと深く関わり、日本の葬儀には欠かせない存在となっています。
項目 | 説明 |
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白張提灯の役割 | – 故人の霊をあの世へと導く – その家がご不幸に見舞われたこと、故人があの世へと旅立ったことを知らせる |
白い色の意味 | 清浄や神聖さを象徴し、故人が迷うことなくあの世へと旅立てるようにとの願いが込められている |
使用場面 | – 通夜や告別式の会場 – 葬儀後、親族が自宅に持ち帰り、四十九日の忌明けまで飾る |
新盆と白張提灯
日本では、毎年夏に先祖の霊があの世から帰ってくるという伝統行事「お盆」があります。その中でも、故人が亡くなって初めて迎えるお盆は「初盆」または「新盆」と呼ばれ、特に重要な意味を持つとされています。
お盆の期間、人々は家の前に提灯を灯して、先祖の霊が迷わずに戻って来られるようにと祈りを捧げます。普段使い慣れている提灯とは異なり、お盆に用いる提灯は「盆提灯」と呼ばれ、地域や宗派によって様々な種類があります。
初盆において特に重要な役割を担うのが「白張提灯」です。白い和紙を骨組みに張って作られたこの提灯は、故人があの世に旅立った後、初めて家に戻ってくる際に、その道を明るく照らすという意味が込められています。また、白という色は、神聖さや清らかさを表すと同時に、深い悲しみを表す色でもあります。初盆で白張提灯を飾ることは、故人を偲び、その冥福を祈る気持ちを表す大切な行為なのです。
初盆を迎える家は、親族や故人と親交の深かった人たちから、この白張提灯を贈られることが一般的です。提灯には故人の戒名や家紋を入れる場合もあり、より一層故人を偲ぶ気持ちが込められます。
このように、白張提灯は初盆において欠かせないものです。初盆の際には、白張提灯を灯すことで、故人の霊を温かく迎え入れ、共に過ごしましょう。
用語 | 説明 |
---|---|
お盆 | 毎年夏に先祖の霊があの世から帰ってくるという日本の伝統行事 |
初盆(新盆) | 故人が亡くなって初めて迎えるお盆。特に重要な意味を持つ。 |
盆提灯 | お盆に用いる提灯。地域や宗派によって様々な種類がある。 |
白張提灯 | 初盆で用いる白い和紙で作られた提灯。故人の道を明るく照らし、冥福を祈る意味が込められている。 |
白張提灯の灯りと共に
淡い光を放つ白張提灯は、日本の葬儀の場で古くから用いられてきました。その柔らかな光は、深い悲しみに包まれた場に、どこか安らぎを与えてくれます。 白張提灯の灯りは、故人との別れを惜しみ、冥福を祈る心を象徴しているかのようです。 簡素な白い提灯は、華美な装飾とは対照的に、死の静寂と、その先にある永遠の安息を連想させます。
白張提灯の白い色は、仏教において死後の世界を象徴する色とされています。また、白い色は穢れを払うという意味合いもあり、葬儀の場にふさわしいとされています。灯りは、暗闇を照らし道を示すことから、故人が迷わずあの世へと旅立てるようにとの願いが込められているとも言われています。
現代の葬儀では、白張提灯だけでなく、故人の好きだった色や花をあしらった提灯なども見られるようになりました。しかし、白張提灯の持つ、静かで厳かな雰囲気は、時代が変わっても変わることなく、私たちの心に何かを語りかけてくるように感じられます。
特徴 | 意味 |
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淡い光 | 悲しみに安らぎを与える |
白い色 | 死後の世界、穢れを払う |
灯り | 故人の冥福を祈る、迷わずあの世へ導く |