出棺：最後の別れを見送る儀式

出棺：最後の別れを見送る儀式

葬儀と墓石を知りたい

先生、『出棺』って、お棺を運ぶだけじゃないんですよね？何か特別な意味があるんですか？

葬儀と墓石の研究家

いいところに気がつきましたね。出棺は、故人との最後の別れを意味する大切な儀式なんです。単に運ぶだけではないんだよ。

葬儀と墓石を知りたい

最後の別れというと、お焼香とかのことですか？

葬儀と墓石の研究家

そうです。地域や宗教によって違いはありますが、出棺の前には、故人との別れを惜しむ最後の時間を持ちます。お焼香もその一つですね。

出棺とは。

お葬式で「出棺」という言葉が使われますが、これはご遺体が納められた棺を家や葬儀場から送り出すことを指します。一般的には棺は故人様の足の方から運び出しますが、地域によっては頭の方から出すこともあります。出棺の前には、故人様とのお別れの時間が設けられます。

出棺とは

– 故人との最後のお別れ、出棺の儀式

出棺とは、故人が安置されている場所から、火葬場や埋葬地へと棺を運び出す儀式を指します。古来より日本では、人の魂は肉体と分離し、あの世へと旅立つという考え方が根付いてきました。出棺は、故人の魂が遺族から離れ、あの世へと旅立つ大切な節目と捉えられています。

故人が安置されていた場所、それは自宅であることもあれば、斎場であることもあります。そこから、棺は近親者たちの手によって霊柩車へとゆっくりと運び出されます。この時、参列者は深く頭を下げ、最後の別れを告げます。

出棺の際には、地域や宗教によって様々な風習が残されています。例えば、棺の蓋を少し開けて最後の別れをする「お別れの儀」や、故人の愛用品を棺に入れる「副葬品」、そして故人の魂をあの世へと導く「引導」など、いずれも深い意味を持つ儀式ばかりです。

出棺は、単なる移動手段ではなく、故人との最後の時間を共有し、冥福を祈る神聖な儀式と言えるでしょう。

用語	説明
出棺	故人が安置されている場所から、火葬場や埋葬地へと棺を運び出す儀式。故人の魂が遺族から離れ、あの世へと旅立つ大切な節目。
お別れの儀	棺の蓋を少し開けて最後の別れをする儀式。
副葬品	故人の愛用品を棺に入れること。
引導	故人の魂をあの世へと導く儀式。

棺の運び出し方

お葬式において、棺をどのように運び出すかは、参列者に深い印象を与える儀式の一つです。一般的には、故人の足の方向から先に運び出す方法がとられます。これは、故人があの世へと旅立つ際に、現世に未練を残して後ろ髪を引かれることなく、安らかに旅立てるようにとの願いが込められているからです。

しかしながら、日本の葬儀は地域や宗派、さらには家ごとの慣習によって、様々な違いが見られることも事実です。棺の運び出し方一つをとっても、地域によっては故人の頭の方向から先に出す場合もあるなど、一概に決まっているわけではありません。故人の出身地や家の習慣を考慮し、適切な方法を選ぶことが重要です。

いずれの方法を取るにしても、棺を運ぶ際には、故人への敬意を込めて、丁寧に行動することが大切です。参列者は、静かに故人の旅立ちを見守り、冥福を祈ることに集中しましょう。

項目	内容
一般的な棺の運び出し方	故人の足の方向から先に出す
その理由	故人が現世に未練を残さず、安らかに旅立てるようにとの願い
例外	地域、宗派、家の慣習によっては頭から先に出す場合もある
重要なこと	故人の出身地や家の習慣を考慮する故人への敬意を込めて丁寧に行動する参列者は静かに見守り、冥福を祈る

最後の別れ

– 最後の別れ静寂に包まれた式場。出棺の直前には、故人と最後の別れを惜しむ時間が設けられます。これは「お別れの時間」とも呼ばれ、参列者一人ひとりが故人との繋がりを改めて感じる、深く胸を打つひとときです。深い悲しみに暮れながらも、親族や親しい友人たちはゆっくりと棺の周りに集まります。生花がそっと添えられた棺に静かに手を合わせ、故人の面影を偲びます。故人との温かい思い出話に花が咲き、時には笑顔がこぼれることもあります。それはまるで、在りし日の思い出を語り合う団欒のひとときのように感じられます。感謝の気持ちと共に、故人が愛用していた品や手紙を棺に入れる人もいます。天国へと旅立つ故人を想い、形見となる品をそっと手渡すことで、その人の人生の物語を未来へと繋いでいくことができます。こうして最後の別れを告げる時間は、悲しみの中にも、故人の生きた証と、残された人々の深い愛情が溢れる、厳かで温かな時間となるのです。

場面	詳細
出棺直前	故人と最後の別れを惜しむ時間（お別れの時間）
参列者	親族や親しい友人
行動	– 棺の周りに集まる – 棺に手を合わせる – 故人の面影を偲ぶ – 故人との思い出話をする – 故人が愛用していた品や手紙を棺に入れる
雰囲気	– 深い悲しみ – 温かい思い出話 – 笑顔 – 感謝の気持ち – 厳粛さ – 温かさ

出棺の際のマナー

– 出棺の際のマナー故人との最後のお別れである出棺は、厳粛な儀式であり、参列者一人ひとりの行動が問われる場面でもあります。深い悲しみの中、故人を偲び、敬意を払いながら見送るために、守るべきマナーがあります。まず服装は、喪服を着用するのが基本です。喪服は、故人との別れを惜しみ、悲しみに寄り添う気持ちを表すための大切な装いです。もし、急なことで喪服の準備が難しい場合は、黒や紺、グレーなど、落ち着いた色合いで、地味なデザインの服装を選びましょう。華美な装飾や明るい色は避け、アクセサリーも控えめにするのが適切です。出棺の際には、棺に向かって手を振ったり、大声で泣いたりすることは控えるのが一般的です。静かに故人を見守り、心の中で冥福を祈りましょう。周囲への配慮を忘れずに、厳粛な雰囲気を保つことが大切です。出棺は、故人との別れを告げ、その魂をあの世へと送り出す神聖な儀式です。故人への感謝の気持ちを忘れずに、心を込めて見送りましょう。

場面	マナー	注意点
出棺	– 故人を偲び、敬意を払って見送る – 服装は喪服を着用するのが基本 – 棺に向かって手を振ったり、大声で泣いたりすることは控える – 静かに故人を見守り、心の中で冥福を祈る	– 急な場合は、黒や紺、グレーなど落ち着いた色合いで、地味なデザインの服装を選ぶ – 華美な装飾や明るい色は避け、アクセサリーも控えめにする – 周囲への配慮を忘れずに、厳粛な雰囲気を保つ

出棺後の流れ

告別式が終わり、参列者に見送られながら、故人との最後のお別れとなる出棺です。棺は霊柩車に載せられ、葬儀場から火葬場へと向かいます。
参列者は、マイクロバスや自家用車などでその後ろをゆっくりと追いかけます。火葬場へ向かう道中には、故人が生前よく足を運んだ場所や、思い出深い場所を通ることがあります。これは、故人が過ごした日々を偲び、共に最後の道のりを辿るという意味が込められています。
火葬場に到着すると、棺は炉へと納められます。炉の前では、喪主を先頭に、参列者全員で故人に向けて最後のお別れをします。深い悲しみの中にも、故人の冥福を祈る厳粛な時間が流れます。
火葬が終わり、収骨が終わると、遺骨は骨壺に納められます。そして、遺族は骨壺を丁寧に抱え、自宅へと戻ります。
なお、宗教や地域によっては、火葬場からそのまま墓地へ向かい、納骨を行う場合もあります。

場面	説明
出棺	霊柩車が葬儀場から火葬場へ移動。故人とゆかりのある場所を通る場合もあり、故人の人生を偲び、共に最後の道のりを辿る意味が込められています。
火葬場到着	喪主を先頭に、参列者全員で故人に向けて最後のお別れ。
火葬後	収骨し、骨壺に納めて自宅へ。宗教や地域によっては、火葬場から墓地へ移動し納骨を行う場合も。