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葬儀と六文銭:三途の河の渡し賃

葬儀

葬儀と六文銭:三途の河の渡し賃

葬儀と墓石を知りたい

先生、葬式で死者に持たせる『六文銭』って、一体何のためのお金なんですか?

葬儀と墓石の研究家

いい質問だね! 六文銭は、あの世へ行くための渡し賃と言われているんだよ。

葬儀と墓石を知りたい

あの世への渡し賃…? どんな渡し船に乗るんですか?

葬儀と墓石の研究家

この世とあの世の間には三途の川という川があるとされていてね、その川を渡してくれる船の賃賃なんだ。日本だけでなく、外国でも死者にコインを持たせる習慣があるように、あの世へ行くための旅支度と考えられていたんだよ。

六文銭とは。

お葬式でよく聞く「六文銭」という言葉は、亡くなった方に持たせる品物の一つを指します。あの世へ行くための川の渡し賃として使われると言われています。これは日本だけの習慣ではなく、外国でも亡くなった方の口に硬貨を挟んだり、持たせたりする例が見られます。六文銭とは、このような意味を持つ言葉です。

三途の川の渡し賃

三途の川の渡し賃

日本では古くから、人が亡くなるとあの世へ旅立つと考えられてきました。そして、この世とあの世の境界には三途の川という川が流れ、死者はその川を渡ってあの世にたどり着くとされています。

三途の川を渡るためには、渡し賃が必要だとされ、日本の葬儀では古くから、故人の胸元などに六文銭と呼ばれるものを置きます。六文銭とは、江戸時代に流通していた通貨「文」を六枚組み合わせたもので、三途の川の渡し賃として故人に持たせるのです。

六文銭を置く行為には、故人が無事にあの世にたどり着けるようにとの願いが込められています。現代では、実際に六文銭を置くことは少なくなりましたが、代わりに六文銭を模した硬貨や紙幣を包んで渡すことがあります。

このように、三途の川の渡し賃である六文銭は、日本の葬儀における大切な習俗の一つとして、今も受け継がれています。

用語 説明
三途の川 この世とあの世の境界にあるとされる川
渡し賃 三途の川を渡るために必要とされるお金
六文銭 江戸時代に流通していた通貨「文」を六枚組み合わせたもの。三途の川の渡し賃として故人に持たせる。

六文銭の由来

六文銭の由来

六文銭の由来

お葬式で目にする六文銭。その由来にはいくつかの説がありますが、中でも広く知られているのは、三途の川の渡し賃として、実際に六文の貨幣が必要とされていたという説です。あの世とこの世を分かつ三途の川を渡る際、渡し守に渡すお金として六文が納められていたというわけです。

今では考えられない風習ですが、江戸時代には川の渡し賃は場所や時代によって異なっていたようで、当時の記録によると、六文というのが一般的な相場だったようです。川の渡し賃という日常的な風景と、死後の世界への旅立ちを重ね合わせていたのでしょう。

また、六文銭の「六」という数字にも意味があります。「六」は仏教において、生きとし生けるものは死後、六つの世界を輪廻転生するという「六道輪廻」の思想を表しています。六文銭は、単なる渡し賃というだけでなく、死後の世界や仏教の教えとも深く結びついた、奥深い意味を持つものなのです。

項目 内容
由来 三途の川の渡し賃として、六文の貨幣が必要とされていたという説
渡し賃の相場 江戸時代には場所や時代によって異なっていたが、六文というのが一般的な相場だった
六文銭の「六」の意味 仏教の「六道輪廻」の思想を表す。生きとし生けるものは死後、六つの世界を輪廻転生するという考え方

世界の埋葬文化とコイン

世界の埋葬文化とコイン

– 世界の埋葬文化とコイン故人にコインを持たせる習慣は、私たち日本人には馴染み深いものですが、実は世界各地で見られる興味深い文化の一つです。古代ギリシャでは、死者の口にコインを置く習慣がありました。これは「冥府の渡し賃」と呼ばれ、死後の世界へと旅立つ魂が、三途の川の渡し守であるカロンに支払うためのものだと信じられていました。ギリシャ神話に登場するこのカロンは、渡し賃を支払えない魂を永遠に冥府の岸辺に彷徨わせるとされており、人々は死後の世界で無事に旅を続けられるよう、故人にコインを持たせていたのです。古代ローマやヨーロッパ各地でも、同様の風習が見られました。時代や地域によってコインの種類や枚数は異なっていたようですが、死後の世界への旅立ちを支えたいという願いは共通していたと考えられます。このように、コインを葬儀に用いる習慣は、洋の東西を問わず古くから存在していました。死後の世界や魂の在り方に対する考え方は文化によって異なりますが、あの世へと旅立つ故人を想う気持ちは、時代を超えて世界中の人々に共通していると言えるのではないでしょうか。

地域 習慣 意味
古代ギリシャ 死者の口にコインを置く 三途の川の渡し守カロンへ渡す冥府の渡し賃
古代ローマ
ヨーロッパ各地
同様の風習あり
(コインの種類、枚数は異なる)
死後の世界への旅立ちを支える

現代の六文銭

現代の六文銭

– 現代の六文銭

古くから、あの世への旅路の費用として、故人の棺に六文銭を納める風習がありました。これは、三途の川の渡し賃を支払うため、また、冥府の閻魔大王に死後の裁きの際に賄賂として渡すためなど、様々な解釈がされてきました。

現代においては、実際に硬貨を棺に入れることは少なくなりました。しかし、六文銭の風習自体は、形を変えながら受け継がれています。例えば、六文銭が印刷された紙幣を納めたり、六文銭をかたどった造花や置物を供えたりするのが一般的です。また、香典袋に六文銭が描かれていることも多く見られます。

このように、現代の葬儀においても、六文銭は故人の冥福を祈り、あの世での幸せを願う気持ちを表すものとして、重要な意味を持っています。形は変わっても、故人を偲び、その死を悼む気持ちは、時代を超えて受け継がれていくものと言えるでしょう。

時代 六文銭の風習
古来 故人の棺に六文銭を納める
現代
  • 六文銭が印刷された紙幣を納める
  • 六文銭をかたどった造花や置物を供える
  • 香典袋に六文銭を描かれている
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