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お墓と鳥居:その関係と意味

お墓・霊園

お墓と鳥居:その関係と意味

葬儀と墓石を知りたい

先生、お葬式の時に鳥居を見かけることがありますが、あれはどういう意味があるんですか?鳥居って神社にあるものですよね?

葬儀と墓石の研究家

いい質問だね。確かに鳥居は神社で見かけるものだよね。でも、お墓に鳥居がある場合もあるんだ。それは、神様と仏様を一緒にまつる神仏習合の名残だったり、その人が神様のように大切に思われていることを表している場合もあるんだよ。

葬儀と墓石を知りたい

へえー、そうなんですね!じゃあ、お墓にある鳥居は、神社にある鳥居と同じ意味合いってことですか?

葬儀と墓石の研究家

基本的には同じように、神聖な場所への入り口を示していると考えていいよ。ただ、お墓の場合は、故人を偲び、敬う気持ちを表す意味合いが強いと言えるかな。

鳥居とは。

お葬式で使われる言葉に「鳥居」があります。 多くの人は神社の入り口にある建物だと思うかもしれませんが、お墓の敷地内に建てられることもあります。 例えば、近代柔道の創始者である嘉納治五郎氏のお墓のように、有名な方のお墓の入り口に鳥居が建てられていることがあります。 また、神様と仏様を一緒にまつるという、昔のやり方が残っている地域では、墓地の入り口などに鳥居があるのを見かけることもあります。 鳥居の形は大きく分けて二種類あります。 上の二本の横棒が上下ともはみ出している形を「明神鳥居」、 上だけが出ていて、下の横棒が縦棒の内側までしかないものを「神明鳥居」といいます。

墓地の鳥居:意外な組み合わせ?

墓地の鳥居:意外な組み合わせ?

神社の入り口にそびえ立つ朱色の鳥居。誰もが一度は目にしたことがある、日本の象徴的な風景の一つと言えるでしょう。そんな鳥居ですが、神社だけでなく、墓地で見かけることもあるのをご存知でしょうか?馴染みのない光景に、戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。なぜ、あの世俗を隔てる鳥居が、死者の眠る墓地にあるのでしょうか?そこには、日本の宗教観や歴史が深く関わっているのです。

古来より日本では、神道と仏教が密接に結びつき、独自の宗教観を育んできました。あの世とこの世の境目を明確に区別せず、祖霊も神様も、私たちを見守り、支えてくれる存在として崇拝してきたのです。そのため、墓地の一角に祠を設け、故人の霊を神として祀るという風習が生まれました。そして、その神聖な場所を示すものとして、鳥居が建てられるようになったと考えられています。

また、鳥居には魔除けの意味も込められています。死は、古来より人々にとって畏怖の対象であり、死者の霊が災いをもたらすという考え方も存在しました。そこで、邪悪なものを寄せ付けないための結界として、鳥居が墓地の入り口に設置されたという側面もあるようです。

現代では、墓地の景観の一部として、あるいは伝統的な様式を踏襲する形で鳥居が建てられる場合もあります。しかし、その背後には、祖霊を敬い、神仏に祈りを捧げてきた、日本人の精神文化が息づいていると言えるでしょう。

場所 意味
墓地 祖霊を神として祀る神聖な場所を示す
邪悪なものを寄せ付けないための結界

神仏習合の名残

神仏習合の名残

日本では、古くから神様と仏様を分け隔てなく信仰する、神仏習合という考え方が根付いていました。これは、世界の宗教史においても珍しい混合宗教と言えるでしょう。神社と寺院が隣り合って建っていたり、同じ場所で神様と仏様を祀ることも珍しくありませんでした。

時代が流れ、明治時代になると神仏分離令が出され、神様と仏様は明確に区別されることとなりました。しかし、長年にわたり人々の心に深く浸透していた神仏習合の考え方は、そう簡単に消えるものではありませんでした。

その名残は、現代の私たちの身近な場所にも見られます。例えば、墓地の入り口に鳥居が設置されている光景を目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。これは、かつて神仏習合が盛んだった時代に、神様と仏様の境界があいまいだったことを示す、歴史の生き証人と言えるでしょう。

このように、墓地の鳥居は、単なる宗教施設の一部としてではなく、日本独自の宗教観や歴史的背景を物語る、貴重な文化的遺産として捉えることができるのです。

時代 宗教観 特徴
古代~江戸時代 神仏習合 – 神様と仏様の区別があいまい
– 神社と寺院が隣接、または同じ場所で神仏を祀る
明治時代~現代 神仏分離
(ただし、習合の名残も)
– 神様と仏様が明確に区別される
– 墓地の入り口の鳥居など、神仏習合の名残が見られる

著名人の墓所に見られる鳥居

著名人の墓所に見られる鳥居

日本では古くから、神道と仏教が習合し、独自の宗教観が育まれてきました。墓地にお墓と並んで寺院が建っている風景も珍しくありません。しかし、中には一般的な宗教観とは異なる理由で、墓所に鳥居が建てられることがあります。

その一例として挙げられるのが、近代柔道の礎を築いた嘉納治五郎氏の墓所です。東京にある彼の墓所には、鳥居が設置されています。これは、嘉納氏が神道に深い敬意を抱いていたことを示すと解釈されています。嘉納氏は、柔道を通して日本の精神文化を世界に広めようと尽力しました。その精神性の根底には、日本の伝統的な価値観、道徳観があり、それは神道の教えと深く結びついていました。

このように、故人の人生観や思想、あるいは功績を象徴するものとして、墓所に鳥居が選ばれるケースがあります。それは、単なる宗教施設を超えた、故人への深い尊敬の念を表すシンボルと言えるでしょう。

事例 説明
嘉納治五郎氏の墓所 近代柔道の礎を築いた嘉納治五郎氏の墓所には、鳥居が設置されています。
嘉納氏が神道に深い敬意を抱いていたことを示すと解釈されています。

鳥居の種類と特徴

鳥居の種類と特徴

神社の入り口に立ち、神聖な領域へといざなう鳥居。その姿は多種多様ですが、大きく「明神鳥居」と「神明鳥居」の二つに分類されます。

最も多く見られる明神鳥居は、二本の横木が特徴です。上の横木は緩やかに反り上がり、下の横木は水平に伸びるその姿は、力強さと共に優雅さも感じさせます。神社の境内で見かけることの多い鳥居と言えば、多くの人がこの明神鳥居を思い浮かべるのではないでしょうか。

一方、神明鳥居は、よりシンプルな構造をしています。上の横木だけがわずかに反り上がり、下の横木はありません。その簡素な姿は、古来より続く神社建築の伝統を感じさせます。

どちらも神聖な場所を示す象徴として、古くから人々の信仰を集めてきました。そして、その荘厳な佇まいは、墓地の景観にも静謐な雰囲気を添えています。近年では、墓石のデザインにも鳥居の要素を取り入れるなど、その存在は私たちの生活に深く根付いています。

種類 特徴
明神鳥居 二本の横木
上の横木は緩やかに反り上がり、下の横木は水平
力強さと優雅さ
神明鳥居 シンプルな構造
上の横木のみわずかに反り上がり、下の横木はなし
簡素な姿は伝統を感じさせる

鳥居が持つ意味

鳥居が持つ意味

神社でおなじみの鳥居ですが、実は墓地で見かけることもあります。なぜ墓地に鳥居が建てられているのでしょうか?

鳥居は、神聖な場所と私たちが普段生活している場所を隔てる結界のような役割を担っています。神社では、鳥居をくぐることで、日常から離れ、神聖な気持ちで参拝するよう促しているのです。

では、墓地の鳥居にはどのような意味があるのでしょうか。墓地は、故人が眠る場所であると同時に、遺族や知人が故人を偲び、弔いのために訪れる場所でもあります。

墓地に建てられた鳥居も、神社と同様に、故人の魂が安らかに眠る聖域と外界とを隔てる結界としての役割を担っています。鳥居があることで、訪れる人々は、その場所が特別な場所であることを改めて認識し、心を清め、故人を偲び、敬虔な気持ちでお墓参りができるのです。

また、鳥居は、その形から、二つの世界をつなぐ門とも考えられています。墓地の鳥居は、この世とあの世の境目に立ち、故人と私たちを繋ぐ象徴とも言えるでしょう。

墓地の風景の中に静かに佇む鳥居は、私たちに死生観や信仰について改めて考えさせてくれる存在と言えるでしょう。

場所 鳥居の意味
神社 神聖な場所と日常生活の場を隔てる結界。
参拝者が気持ちを切り替え、敬虔な気持ちで参拝するため。
墓地 故人の魂が安らかに眠る聖域と外界を隔てる結界。
この世とあの世の境目に立ち、故人と私たちを繋ぐ象徴。
訪れる人が故人を偲び、敬虔な気持ちでお墓参りができるよう促す。
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