
ご先祖様を導く灯火、迎え火の役割とは
毎年8月になると、日本各地で「お盆」がやってきます。お盆とは、あの世からご先祖様の霊があの世から帰ってきて、私たちと一緒に過ごす期間のことです。ご先祖様を敬い、共に過ごした時間や思い出を懐かしむ、日本人にとって大切な伝統行事です。お盆の期間中は、ご先祖様が迷わずに家まで帰ってこられるようにと、様々な伝統的な習慣が大切に守られてきました。その一つが「迎え火」です。 迎え火とは、文字通りご先祖様を家に「迎える」ための火のこと。お盆の始まりである13日の夕方に焚かれます。夕闇が辺りを包み込む頃、家の門口や玄関先で、麻殻や藁、割り木などを燃やして火を焚きます。そして、この火を提灯に移して家の中に灯し、ご先祖様の霊を家の中へと導きます。 ご先祖様が迷わずに帰ってこられるように、そして、少しでも安心して家路を進んでいただけるようにとの願いを込めて、焚かれる炎は、私たち子孫の温かい想いを象徴しているかのようです。