改葬の手続きと基礎知識

改葬の手続きと基礎知識

改葬とは

– 改葬とは一度土葬や納骨などをして埋葬した遺体や遺骨を、その後別の墓地などに再び埋葬することを「改葬」と言います。

改葬が行われる理由はさまざまです。 例えば、家族の居住地が変わる引っ越しや、墓地の移転などが挙げられます。また、家系や宗旨が変わることで、それに伴い改葬を行うケースもあります。

近年では、少子高齢化や核家族化が進み、墓の継承が難しいと感じる人が増えていることも、改葬が増加している一因となっています。

遠方にあってなかなかお墓参りに行けない先祖代々の墓を、自分たちが住んでいる場所の近くに改めて建立することで、より頻繁に、また気軽に先祖を供養したいと考える人が増えているのです。

改葬の手続き

人が亡くなった後、お墓は永遠に変わらないものと思われがちですが、さまざまな事情によってお墓の引っ越し、すなわち「改葬」が必要となる場合があります。

改葬を行うには、いくつかの手続きを踏まなければなりません。まず、現在お骨が埋葬されている墓地を管轄する市町村役場に出向き、「改葬許可申請書」を取得します。申請書には、故人や申請者の情報、改葬の理由などを記入し、必要書類を添付して提出します。

申請が受理されると、「改葬許可証」が発行されます。この許可証は、新しい埋葬先の墓地の管理者に必ず提示しなければなりません。許可証がない場合、新しい墓地はお骨を受け入れることができませんので、注意が必要です。

改葬には、墓石の撤去や運搬、新しい墓地の購入など、費用や手間がかかります。そのため、事前にしっかりと計画を立て、余裕を持って手続きを進めることが大切です。

必要な書類と費用

お墓の改葬には、改葬許可申請書の他に、いくつかの書類が必要となります。
まず、現在お墓がある場所の管理者が発行する埋葬証明書が必要です。これは、故人の方がそのお墓に埋葬されていることを証明する大切な書類です。
次に、お墓を移す先となる霊園や寺院が発行する受入証明書が必要です。これは、改葬先がそのお墓を受け入れることを証明する書類です。

改葬には、これらの書類の他に、費用もかかります。
お墓を移すための費用には、墓石の移設費用や、運搬費用などが含まれます。
また、改葬先にもよりますが、永代使用料や管理費などの費用が発生する場合もあります。
これらの費用は、お墓の規模や移転距離、改葬先の条件などによって大きく変わるため、事前に見積もりを取ることが重要です。
信頼できる石材店や葬儀社に相談し、複数の見積もりを比較検討することで、安心して改葬を進めることができます。

改葬の注意点

– 改葬の注意点

近年、お墓の継承問題や、より管理のしやすい場所に移動したいなどの理由から、お墓の引っ越しである「改葬」が増加しています。しかし、改葬は単なる引っ越しではなく、故人との関係、そして残された家族との関係にも深く関わるものです。そこで、ここでは改葬を行うにあたって注意すべき点について詳しく解説していきます。

まず、遺骨は長い年月を経て、土に還っていくという事実を認識しておく必要があります。特に古い墓地からの改葬の場合、遺骨が土に還りきっている、あるいは一部しか残っていないというケースも少なくありません。そのため、すべての遺骨を回収できない可能性があることを理解しておくことが重要です。

次に、墓地によって、改葬に関する独自のルールや手続きが存在することを忘れてはなりません。これは、その墓地の宗教や宗派、あるいは地域独自の慣習に根ざしている場合があります。そのため、事前に現在の墓地の管理者と、新しい埋葬先の墓地の管理者の両方に確認することが不可欠です。

そして何よりも大切なのは、遺骨は故人そのものであり、丁重に扱うという心構えです。単なる作業としてではなく、故人を偲び、改めて供養するという気持ちを持って改葬に臨むことが重要です。

改葬は手続きや費用面だけでなく、気持ちの面も考慮し、ご家族皆様でよく話し合い、故人を敬う心を忘れずに、慎重に進めていきましょう。