葬場祭：神道の厳粛な別れ

葬場祭：神道の厳粛な別れ

葬儀と墓石を知りたい

先生、「葬場祭」って言葉聞いたことある？何かの儀式のことらしいんだけど、よくわからないんだ。

葬儀と墓石の研究家

ああ、「葬場祭」ね。葬式で使う言葉だけど、仏式じゃなくて神式の葬儀のときに使う言葉なんだよ。

葬儀と墓石を知りたい

神式の葬儀の時だけ？じゃあ、仏式の葬儀でいう、お葬式と告別式を合わせたようなものなの？

葬儀と墓石の研究家

そう、まさにその通り！仏式でいうお葬式と告別式を合わせたような儀式を、神式では「葬場祭」と呼ぶんだよ。

葬場祭とは。

「葬場祭」とは、神道で行うお葬式の際に行われる、お葬式と告別式の儀式のことを指します。

葬場祭とは

– 葬場祭とは

葬場祭とは、神道の教えに基づいた葬儀・告別式のことで、故人が神様の世界へ旅立つための大切な儀式です。仏式の葬儀・告別式と同じようなもの、と考えると分かりやすいかもしれません。しかし、そこには仏教とは異なる、神道独自の死生観が色濃く反映されています。

神道では、人は死ぬと「祖霊」となり、子孫を見守る存在になると考えられています。葬場祭は、この世に別れを告げ、祖霊としてあの世へと旅立つための儀式なのです。

葬場祭は、一般的に以下の流れで行われます。

1. 遷霊祭故人の魂を霊璽（れいじ）と呼ばれる依り代に遷します。
2. 斎主による修祓（しゅばつ）参列者と会場を清めます。
3. 斎主による祝詞奏上神様に、故人の死と葬場祭を行うことを告げ、祖霊への加護を祈ります。
4. 玉串奉奠（たまぐしほうてん）神前に玉串を捧げ、拝礼します。
5. 遺族による焼香順に焼香を行い、故人を偲びます。
6. 斎主による撤饌（てっせん）神饌（しんせん）と呼ばれる神様へのお供え物を下げます。
7. 閉祭葬場祭の終了を告げます。

葬場祭は、厳粛な雰囲気の中にも、故人を偲び、その冥福を祈るという温かい心遣いに満ちた儀式です。参列する際には、神道式の作法やマナーを事前に確認しておきましょう。

葬場祭の流れ	内容
1. 遷霊祭	故人の魂を霊璽（れいじ）と呼ばれる依り代に遷します。
2. 斎主による修祓（しゅばつ）	参列者と会場を清めます。
3. 斎主による祝詞奏上	神様に、故人の死と葬場祭を行うことを告げ、祖霊への加護を祈ります。
4. 玉串奉奠（たまぐしほうてん）	神前に玉串を捧げ、拝礼します。
5. 遺族による焼香	順に焼香を行い、故人を偲びます。
6. 斎主による撤饌（てっせん）	神饌（しんせん）と呼ばれる神様へのお供え物を下げます。
7. 閉祭	葬場祭の終了を告げます。

神道の死生観

– 神道の死生観

古来より日本で信仰されてきた神道では、死は決して恐れるべきものではなく、この世での生命を終えた後も魂は生き続け、祖霊となって子孫を見守ってくれると考えられています。

神道における死生観においては、人は生まれながらに清浄な魂を持っており、その魂は肉体と深く結びついています。そして、人が亡くなると、魂は肉体から離れて祖霊となり、再び見えざる世界へと還っていくのです。

しかし、それは永遠の別れを意味するものではありません。祖霊となった存在は、子孫を守護し、繁栄へと導くために、常に寄り添ってくれていると信じられています。そのため、神道では先祖を敬い、その魂を慰めることが重要視されているのです。

葬儀は、故人が無事に祖霊の世界へと旅立ち、安らかなる眠りにつけるようにと願いを込めて執り行われます。そして、残された家族や親族は、故人の冥福を祈りながら、祖霊となった存在への感謝の気持ちを忘れずに、日々を過ごしていくのです。

項目	内容
死生観	死は恐れるべきものではなく、魂は永遠に生き続け、祖霊となって子孫を見守る
人の魂	生まれながらに清浄で、肉体と深く結びついている。死後、魂は肉体から離れ、祖霊となって再び見えざる世界へ還る
祖霊との関係	祖霊は子孫を守護し、繁栄へと導く。先祖を敬い、その魂を慰めることが重要
葬儀の意味	故人が無事に祖霊の世界へと旅立ち、安らかなる眠りにつけるようにとの願いを込めて執り行う
残された家族	故人の冥福を祈りながら、祖霊となった存在への感謝の気持ちを忘れずに日々を過ごす

葬場祭の流れ

– 葬場祭の流れ

葬場祭は、故人があの世へと旅立つための大切な儀式であり、残された者がその死を受け入れ、新たな一歩を踏み出すための重要な意味を持つ時間でもあります。

葬場祭は、まず神職によるお祓いから始まります。これは、葬場に集まった人々や場所そのものを清め、神聖な空間に変えるための儀式です。続いて、神職が祝詞を奏上し、故人の霊を慰め、冥福を祈ります。

その後、参列者は順に祭壇の前に進み出て玉串を捧げます。玉串は、神様に捧げるための神聖な木の枝のことで、故人への感謝の気持ちと、安らかに眠ってほしいという願いを込めて捧げます。

厳かな雰囲気の中、故人と最後の別れを惜しみ、冥福を祈る時間は、参列者の心に深く刻まれることでしょう。そして、この儀式を通して、参列者は故人の死を改めて実感し、悲しみを分かち合いながら、少しずつ現実を受け入れていくことができるのです。

葬場祭は、形式的なものではなく、故人を偲び、その魂の安らかな旅立ちを祈るための、心を込めた儀式と言えるでしょう。

葬場祭の流れ	説明
お祓い	葬場に集まった人々や場所を清め、神聖な空間に変える
祝詞奏上	神職が故人の霊を慰め、冥福を祈る
玉串奉奠	参列者が順に祭壇に進み出て、故人への感謝と安らかな眠りを願って玉串を捧げる
閉式	故人と最後の別れを惜しみ、冥福を祈る

葬場祭の意義

– 葬場祭の意義

葬場祭は、故人がこの世を去り、魂となってあの世へと旅立つための大切な儀式です。しかし、その意味合いは、単なる形式的な儀式を超えた、深い意義を持っています。

葬場祭は、故人の死を悼み、その生涯を偲ぶための大切な時間となります。生前の思い出話に花を咲かせ、共に笑い、共に涙を流すことで、参列者は故人と心を通わせ、その死を受け入れる準備を始めます。それは、残された家族や親族にとって、深い悲しみを共有し、慰め合う場ともなるのです。

また、葬場祭は、残された者が生きていくための力を与えてくれる儀式でもあります。故人の旅立ちを祝い、冥福を祈ることで、遺族は前を向く力を得て、再び力強く歩み始めることができるのです。目には見えなくなっても、故人は祖霊となり、常に家族を見守ってくれる存在となります。葬場祭は、そうした祖霊との繋がりを感じ、未来へと進んでいくための大切な区切りとなるのです。

葬場祭は、故人との別れを惜しみつつも、その死を乗り越え、新たな未来へと歩み出すための、大切な儀式と言えるでしょう。

葬場祭の意義	詳細
故人の死を悼み、その生涯を偲ぶ	生前の思い出を語り合い、故人と心を通わせることで、死を受け入れる準備を始める。家族や親族にとっては、悲しみを共有し、慰め合う場となる。
残された者が生きていくための力を与える	故人の旅立ちを祝い、冥福を祈ることで、遺族は前を向き、力強く歩み始めることができる。葬場祭は、祖霊となった故人との繋がりを感じ、未来へと進むための区切りとなる。