副葬品:故人との最後の別れに添えるもの
葬儀と墓石を知りたい
先生、副葬品って故人が使っていたものを一緒にお墓に入れるって習ったんですけど、なんでそんなことをするんですか?
葬儀と墓石の研究家
いい質問ですね。副葬品は、故人があの世でも愛用していたものを身につけてほしい、あるいはそばに置いてあげたいという遺族の気持ちの表れなんです。でも、最近では環境問題などもあり、墓地によっては副葬品を制限しているところもあるんですよ。
葬儀と墓石を知りたい
そうなんですね。でも、故人が愛用していたものを捨てたくない気持ちも分かります…
葬儀と墓石の研究家
そうですね。ですから、最近では故人の思い出の品を形見分けしたり、写真を飾ったりするなど、副葬品に代わる方法で故人を偲ぶことも増えているんですよ。
副葬品とは。
お葬式で使う「副葬品」という言葉は、亡くなった方が大切に思っていた物や、大事にしていた物を、お墓に一緒に入れる物のことを指します。 多くの場合、遺品が副葬品になります。 ただし、お墓では骨以外の物を埋めることは、基本的に禁止されています。 また、火葬の時、棺桶に入れて故人と共に燃やす物も、副葬品と呼びます。
副葬品の定義
– 副葬品の定義
副葬品とは、故人が旅立つ際に、棺や骨壺の中に共に納める品々のことを指します。これは、故人が生前愛用していた物や、思い出の品、あるいはあの世での幸せを願って選ばれたものなど、様々な意味合いを持ちます。
例えば、故人が生前大切にしていた時計やアクセサリー、愛読書、趣味の品などが副葬品として選ばれることがあります。また、家族や友人との写真、故人への手紙なども、思い出の品として共に納められることがあります。
さらに、あの世での幸せを願って、六文銭や経帷子などの宗教的な意味合いを持つ品や、故人が好きだった食べ物や飲み物、花などが副葬品として選ばれることもあります。
副葬品は、故人への想いを形にするものであり、残された家族にとっては、故人を偲ぶ大切な拠り所となることもあります。近年では、故人の個性を大切にしたいという想いから、従来の宗教的な意味合いを持つ品だけでなく、より自由な発想で副葬品を選ぶ傾向も強まっています。
副葬品の分類 | 具体例 | 意味合い |
---|---|---|
生前愛用していた物や思い出の品 | 時計、アクセサリー、愛読書、趣味の品、写真、手紙など | 故人を偲ぶ、思い出を共にする |
あの世での幸せを願って選ばれたもの | 六文銭、経帷子、食べ物、飲み物、花など | 宗教的な意味合い、故人の好みに合わせた供養 |
副葬品の例
– 副葬品の例故人への想いを形にする最後の贈り物副葬品とは、故人があの世でも愛用していた物を使えるように、あるいは好きだったものに囲まれて安らかに眠れるようにという願いを込めて、棺に納める品々のことを指します。 近年では、従来の宗教的な意味合いだけでなく、故人との思い出の品や、その人の人生を象徴するものを納めるという傾向も強まっています。副葬品として選ばれるものは、故人の趣味や嗜好によって大きく異なります。 生前に読書を愛した方であれば、ページの隅に書き込みが残る愛読書や、何度も読み返した形跡のある文庫本を納めることがあります。音楽をこよなく愛した方であれば、青春時代を彩った思い出のCDや、演奏会に足繁く通った形跡を感じさせるコンサートプログラムなどが選ばれることもあります。また、旅先で集めた思い出の品や写真、旅日記なども、旅好きだった故人を偲ばせる副葬品として選ばれます。故人の個性が光る、よりパーソナルな品々を副葬品として選ぶケースも増えています。長年愛用した眼鏡、時を刻み続けた腕時計、普段使いしていたアクセサリーなどは、故人の面影を色濃く残すものとして、棺にそっと納められます。そのほか、生前に愛用していたティーカップや万年筆、趣味で集めていた切手やコインなども、故人の個性を物語る副葬品と言えるでしょう。このように、副葬品は単なる品物ではなく、故人への想いを形にする最後の贈り物と言えるでしょう。故人の人生や人柄を偲ばせる品々を棺に納めることで、残された人々は深い悲しみを乗り越え、新たな一歩を踏み出すことができるはずです。
カテゴリー | 具体的な品物 | 備考 |
---|---|---|
趣味嗜好品 | 愛読書、文庫本、CD、コンサートプログラム、旅の思い出の品、写真、旅日記 | 生前の趣味を反映 |
パーソナルな品々 | 眼鏡、腕時計、アクセサリー、ティーカップ、万年筆、切手、コイン | 故人の個性を象徴 |
副葬品を選ぶ際の注意点
– 副葬品を選ぶ際の注意点故人が生前愛用していた品や、思い出の詰まった物を副葬品として棺に納めたいと考える方は多いでしょう。しかし、副葬品を選ぶ際には、いくつか注意すべき点があります。-# 墓地による制限墓地によっては、埋葬できる物に制限を設けている場合があります。 例えば、爆発の危険性があるものや、土壌や地下水を汚染する可能性のある化学物質を含むものは、埋葬を断られることがあります。特に、電池やスプレー缶などは危険物とみなされる場合があるので注意が必要です。故人のため、そして環境を守るためにも、事前に墓地の管理者に確認を取ることが大切です。-# 火葬の場合の注意点火葬の場合、燃えない素材の物は遺骨に影響を与える可能性があります。特に、ガラスや金属製のものは、高温で溶けたり変形したりすることで、遺骨に付着したり損傷を与えたりする可能性があります。そのため、これらの素材の物を副葬品として入れる場合は、火葬前に取り除くか、あらかじめ墓地の職員に相談することをおすすめします。-# 遺族の気持ちも大切に副葬品を選ぶ際には、故人の想いはもちろんですが、遺族の気持ちも大切にしましょう。故人が愛用していた品であっても、遺族が手元に置いておきたいと考える場合もあります。遺族間でよく話し合い、全員が納得した上で、副葬品を選ぶことが大切です。副葬品は、故人への想いを形として残す大切なものです。しっかりと注意点を押さえた上で、故人にとってふさわしい品を選んであげましょう。
注意点 | 詳細 |
---|---|
墓地による制限 | – 墓地によっては、埋葬できる物に制限を設けている場合があります。 – 爆発の危険性があるものや、土壌や地下水を汚染する可能性のある化学物質を含むものは、埋葬を断られることがあります。 – 特に、電池やスプレー缶などは危険物とみなされる場合があるので注意が必要です。 – 事前に墓地の管理者に確認を取ることが大切です。 |
火葬の場合の注意点 | – 火葬の場合、燃えない素材の物は遺骨に影響を与える可能性があります。 – 特に、ガラスや金属製のものは、高温で溶けたり変形したりすることで、遺骨に付着したり損傷を与えたりする可能性があります。 – これらの素材の物を副葬品として入れる場合は、火葬前に取り除くか、あらかじめ墓地の職員に相談することをおすすめします。 |
遺族の気持ちも大切に | – 副葬品を選ぶ際には、故人の想いはもちろんですが、遺族の気持ちも大切にしましょう。 – 故人が愛用していた品であっても、遺族が手元に置いておきたいと考える場合もあります。 – 遺族間でよく話し合い、全員が納得した上で、副葬品を選ぶことが大切です。 |
副葬品の持つ意味
– 副葬品の持つ意味人は誰しもいつかはその生涯を終え、この世を去ることになります。残された者は悲しみに暮れながらも、故人への想いを胸に、その死を受け入れ、生きていかなければなりません。そのような時、葬送という儀式の中で、故人が生前愛用していた品々を棺に納めることがあります。これが副葬品です。副葬品には、故人への想いを形にするという意味合いがあります。それは、故人が生前に愛着を持っていた品々を共に葬ることで、故人との繋がりを強く感じ、心の整理をつける助けとなるからです。例えば、生前愛用していたアクセサリーや時計、趣味の品、大切に読んでいた本などを副葬品とすることで、故人の面影を近くに感じ、その思い出を偲ぶことができます。また、副葬品は、残された家族や友人にとって、故人を偲ぶよすがとなることもあります。形見分けのように、故人の持ち物を形見として受け継ぐことで、故人を身近に感じ、その記憶を語り継いでいくことができるでしょう。副葬品には、故人や遺族の宗教や文化、そして時代背景などが反映されることもあります。そのため、副葬品として何を納めるかは、一概に決まっているわけではありません。大切なのは、故人への想いを込めて、心を込めて品を選ぶことと言えるでしょう。副葬品は、故人との最後の別れを告げ、新たな一歩を踏み出すための心の支えとなる、大切な役割を担っていると言えるのではないでしょうか。
副葬品の役割 | 詳細 |
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故人への想い |
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残された人への影響 |
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副葬品の選び方 |
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副葬品の代わりに
昔からお葬しでは、故人があの世でも困らないようにと、愛用していた品や食べ物などを一緒に埋葬する風習がありました。しかし近年では、埋葬方法の変化や環境への配慮などから、副葬品の代わりに別の形で故人を偲ぶ人が増えています。
例えば、故人が生前愛した花を棺にたくさん飾ったり、思い出の写真を棺に入れたりすることで、最期の別れを彩るケースが目立ちます。また、故人が好きだった音楽を葬儀で流したり、思い出の場所に家族で集まったりするなど、形にとらわれずに故人を偲ぶ方法も選ばれています。
さらに、近年では、故人の名前を冠した植樹を行うケースも増えています。これは、木が成長していくことで故人の思い出も語り継がれていくという、生命の循環を感じさせる弔い方といえるでしょう。
このように、副葬品は時代の流れとともに変化しています。しかし、大切なのは、形ではなく故人への想いを形にすることです。故人が喜んでくれるような、心からの弔いをすることが重要です。
従来の副葬品 | 現代の副葬品 |
---|---|
愛用していた品 | 故人が生前愛した花 |
食べ物 | 思い出の写真 |
– | 故人が好きだった音楽を葬儀で流す |
– | 思い出の場所に家族で集まる |
– | 故人の名前を冠した植樹 |