故人を偲ぶ空間：後飾りの基礎知識

故人を偲ぶ空間：後飾りの基礎知識

葬儀と墓石を知りたい

先生、「後飾り」って、火葬のあとにするんでしょ？なんで「あと」って言うんですか？

葬儀と墓石の研究家

いい質問ですね！「後飾り」は火葬の後にする飾り付けだから「後飾り」って言うんだよ。では、火葬の前にも飾り付けがあったよね？それは何て言うかな？

葬儀と墓石を知りたい

えーっと、確か「枕飾り」です！

葬儀と墓石の研究家

そう！「枕飾り」と「後飾り」。どちらも故人を偲んで、お見送りするための大切な飾り付けなんですね。

あと飾り・後飾りとは。

お葬式のあと、火葬されたお骨を家に持ち帰り、しばらくの間おまつりする場所を「あと飾り」または「後飾り」といいます。

この場所には、生花やお線香をお供えし、お骨を守るための祭壇を置きます。この祭壇は「後飾り祭壇」とも呼ばれます。

故人様の魂をお送りする法要である、仏教では四十九日、神式では五十日祭までは、この祭壇にお骨を安置するのが一般的です。

祭壇は、二段または三段になっていることが多く、お骨や遺影、位牌のほか、それぞれの宗教や宗派のしきたりに従って、お飾りやお供え物を供えます。

例えば、仏教では仏具を、神式では榊や白いお皿を、キリスト教では十字架などを置くことが多いです。

このように、あと飾りの祭壇の形は、仏教、神式、キリスト教といった宗教によって、また同じ宗教でも宗派によって異なります。

後飾りとは

– 後飾りとは

大切な方を亡くされた後、火葬を終え、ご遺骨と共に自宅へ帰るとき、故人をお迎えし、安置する場所を「後飾り」と呼びます。これは単なる祭壇ではなく、故人を偲び、冥福を祈るための、ご家族にとって sacred な空間となります。

一般的には、二段あるいは三段に重ねた祭壇を用い、故人の遺影や位牌を中央に据えます。そして、その周囲に生前愛用されていた品や故人の好きだった花、果物、お菓子などを供えます。また、宗派によっては、香炉や燭台、りん、線香立てといった仏具を配置し、故人の魂が迷うことなく安らかに過ごせるようにと願いを込めて、灯明を灯し続けます。

この後飾りの祭壇は、仏式では四十九日、神式では五十日祭を迎えるまで、故人を身近に感じながら共に過ごすための大切な場所となります。そして、故人を偲び、感謝の気持ちを込めて手を合わせることで、残されたご家族は少しずつ心の整理をつけていくことができるのです。

項目	説明
後飾りとは	火葬後、故人の遺骨と共に自宅へ戻り、安置する場所のこと。ご遺影や位牌、故人の愛用した品などを供え、冥福を祈るための神聖な空間。
期間	仏式：四十九日、神式：五十日祭まで
目的	* 故人を身近に感じながら共に過ごす * 故人を偲び、感謝の気持ちを込めて手を合わせる * 残された家族が少しずつ心の整理をつける
構成要素	* 遺影 * 位牌 * 故人の愛用していた品 * 故人の好きだったもの（花、果物、お菓子など） * 仏具（香炉、燭台、りん、線香立てなど）

後飾りの構成

– 後飾りの構成

後飾りの祭壇は、故人を見送る大切な儀式であると同時に、残された者が故人への想いを馳せ、心を込めてお別れをするための大切な場所でもあります。単に遺影や位牌を置くだけでなく、故人の人柄や生き様を偲ぶことができるように、様々な要素で構成されます。

祭壇には、まず故人の姿を偲ぶために遺影と位牌を安置します。そして、故人が生前愛用していた品々を飾ることで、より一層故人を近くに感じられる空間を創り出すことができます。例えば、生前に愛用していた湯呑みやお茶碗でお茶や水を供えたり、書道や絵画、手芸など趣味の作品を飾ることもできます。

また、故人が好きだった花や食べ物を供えることも、心からの弔意を示す方法の一つです。これらの品々は、故人がこの世に生きていた証であり、私たちにたくさんの思い出と教訓を与えてくれたことを象徴しています。

さらに、生花や線香の穏やかな香りは、悲しみに暮れる心を慰め、穏やかに故人を見送るための雰囲気を醸し出してくれます。

このように、後飾りの祭壇は、故人との最後の時間を共有し、思い出を語り合い、冥福を祈るための大切な空間となります。

要素	説明
遺影と位牌	故人の姿を偲ぶために安置します。
故人の愛用していた品々	湯呑みやお茶碗、趣味の作品など、故人を近くに感じられる空間を創り出すために飾ります。
故人が好きだった花や食べ物	心からの弔意を示すために供えます。
生花や線香	悲しみに暮れる心を慰め、穏やかに故人を見送るための雰囲気を醸し出します。

宗派による違い

日本では古くから様々な宗教や宗派が信仰されており、葬儀の形式や供え物もそれぞれの特徴を持っています。ここでは、仏式、神式、キリスト教式における違いを具体的に見ていきましょう。

まず、仏式の場合、故人の魂を来世へと導くという考えのもと、厳粛な雰囲気の中で儀式が執り行われます。祭壇には「三具足」と呼ばれる香炉、燭台、花立が基本となり、線香の香りは、故人の魂を清め、あの世へと導くとされています。また、故人が生前に愛用していた茶碗や湯呑を用いてお茶や水を供え、生前と変わらぬもてなしの心を表します。さらに、故人が好きだった食べ物や飲み物、趣味のものなどを供えることもあり、故人を偲びます。

一方、神式では、故人の魂を祖先神として祀り、家の守護神になってもらうという考え方が根底にあります。そのため、祭壇には榊が飾られ、神聖な場所であることを示します。また、白木の台に米や塩、水、酒、魚、野菜、果物などを盛り付けた「御饌（みけ）」と呼ばれる神饌を供え、故人の霊を慰めます。葬儀は、神職である神主が中心となり、祝詞を奏上し、玉串を捧げて故人の冥福を祈ります。

キリスト教式では、故人の魂が神の国へ召されることを祈ります。教会や自宅などに祭壇を設け、十字架やろうそく、故人が好きだった花などを飾ります。葬儀では、聖書が読まれ、牧師が祈りを捧げ、賛美歌が歌われます。そして、参列者は故人の冥福を祈り、神への感謝の気持ちを捧げます。

このように、それぞれの宗教や宗派の教えに基づいた形式や供物を用意することで、故人を丁重に供養し、その死を悼みます。

宗教・宗派	考え方	祭壇	供え物	儀式
仏式	故人の魂を来世へ導く	三具足（香炉、燭台、花立）、故人の愛用した茶碗や湯呑	線香、お茶、水、故人が好きだった食べ物や飲み物、趣味のものなど	厳粛な儀式、線香を焚く
神式	故人の魂を祖先神として祀り、家の守護神になってもらう	榊、白木の台	御饌（米、塩、水、酒、魚、野菜、果物など）	神主が祝詞を奏上、玉串を捧げる
キリスト教式	故人の魂が神の国へ召されることを祈る	十字架、ろうそく、故人が好きだった花など	–	聖書朗読、牧師の祈り、賛美歌