故人を偲ぶ七七日忌の一つ、以芳忌
葬儀と墓石を知りたい
先生、「以芳忌」って、どういう意味ですか?
葬儀と墓石の研究家
いい質問ですね。「以芳忌」は、故人が亡くなってから14日目に行う法要のことを指します。一般的には「二七日(にしちにち)」と言いますね。
葬儀と墓石を知りたい
二七日…14日目ということは、毎日何かしら行うのですか?
葬儀と墓石の研究家
いいえ、毎日ではありません。仏教では、故人が亡くなってから7日ごとに法要を行うことが多く、特に初七日や四十九日は大切な法要とされています。
以芳忌とは。
「以芳忌」という言葉は、お葬式が終わってから十四日目に行う法要のことを指します。
以芳忌とは
– 以芳忌とは「以芳忌」とは、故人が亡くなってから35日目に行われる法要のことで、仏教における「七七日忌」の一つです。
「七七日忌」とは、故人がこの世を去ってから四十九日までの間、七日ごとに計七回行われる追善供養の儀式のことを指します。
仏教では、人が亡くなってから四十九日間は、故人が生前の行いによって裁きを受けながら、三途の川の岸辺で次の生を受ける準備をする期間だと考えられています。この四十九日間は「中有(ちゅうう)」と呼ばれ、現世と来世の狭間のような状態とされています。
遺族は、故人が迷いなく安らかに旅立ち、一刻も早く成仏できるようにと願いを込めて、この期間に七回忌法要を営みます。そして、法要の席では僧侶にお経を唱えてもらい、故人の冥福を祈ります。
「以芳忌」は、故人が亡くなってから五七日目の忌日であることから、「五七日(ごしちにち)」とも呼ばれます。また、三十五日の間、香を絶やさず供えてきたことに由来して、「満香供養(まんこうくよう)」と呼ばれることもあります。
名称 | 説明 | その他 |
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以芳忌(いほうき) | 故人が亡くなってから35日目に行われる法要 |
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七七日忌(しちしちにちき) | 故人がこの世を去ってから四十九日までの間、七日ごとに計七回行われる追善供養の儀式 | 人が亡くなってから四十九日間は「中有」と呼ばれ、現世と来世の狭間の状態とされる |
以芳忌の由来
– 以芳忌の由来「以芳忌」とは、仏教において四十九日の忌明けまでの間に迎える重要な法要の一つで、故人の三十五日目に行われます。 この「以芳忌」という名称は、一体どのような由来を持つのでしょうか。「以芳」の「芳」は、高貴な香木として知られる「沈香(じんこう)」の別名である「芳香」に由来します。 沈香は、その名の通り、奥深く、芳醇な香りを放つ香木として古くから珍重されてきました。特に仏教儀式においては、この沈香を焚き、その香りを仏様に捧げることで、場の浄化を図るとともに、敬虔な祈りを捧げるという重要な役割を担ってきました。三十五日目という節目に、遺族は故人の冥福を祈りながら、この貴重な沈香を焚き、その香りを捧げます。 これは、沈香の清らかな香りが、故人の霊を慰め、迷いを払い、安らかな成仏へと導くと信じられているからです。また、沈香の香りが、悲しみに暮れる遺族の心を癒し、穏やかな気持ちへと導くという意味合いも込められています。このように、「以芳忌」は、沈香の芳しい香りに故人への想いを託し、冥福を祈る大切な法要として、今日まで受け継がれています。
項目 | 内容 |
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名称 | 以芳忌 |
読み方 | いほうき |
意味 | 仏教において、故人の三十五日目に行われる法要。 |
由来 | 「芳」は「沈香」の別名である「芳香」に由来。沈香を焚き、その香りを仏様に捧げることで、場の浄化を図るとともに、敬虔な祈りを捧げる。 |
沈香の役割 | – 故人の霊を慰め、迷いを払い、安らかな成仏へと導くと信じられている。 – 悲しみに暮れる遺族の心を癒し、穏やかな気持ちへと導く。 |
以芳忌における法要
– 以芳忌における法要
以芳忌は、故人が亡くなってから三十三回忌を終え、三十七年間を経た後、五十回忌を迎えるまでの間に行われる年忌法要です。
一般的には、三十三回忌を終えた翌年である三十四年目から四十九年目までの間の、祥月命日、もしくは命日の前後の日曜日に営まれます。五十回忌は大きな節目とされており、それまでの間にも、故人を偲び、冥福を祈る機会として、以芳忌が営まれてきました。
以芳忌の法要は、僧侶を自宅や寺院に招き、読経や焼香を行います。読経では、故人の冥福を祈り、安らかな成仏を願います。焼香は、故人への感謝の気持ちを表すもので、参列者が順に焼香を行います。
法要には、遺族や親族、故人と親しかった人々が集まります。共に故人を偲び、生前の思い出話に花を咲かせます。これは、故人の在りし日を懐かしむとともに、故人の生きた証を語り継ぎ、その魂を後世に伝えていくための大切な機会です。
法要後には、参列者で食事を共にする「お斎」を行うことが一般的です。食事を共にしながら、故人の思い出話に花を咲かせ、故人の冥福を祈ります。
ただし、近年では、以芳忌のような三十三回忌以降の法要は、簡略化して法要のみを行うケースや、日程を調整して他の法要と合わせて行うケースも増えています。これは、ライフスタイルの変化や、少子高齢化などの社会状況の変化を反映していると言えるでしょう。
項目 | 内容 |
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名称 | 以芳忌 |
時期 | 三十三回忌(33年後)後~五十回忌(50年後)までの間 一般的には三十四年目から四十九年目の祥月命日またはその前後の日曜日 |
場所 | 自宅または寺院 |
内容 | ・僧侶による読経 ・焼香 ・故人を偲ぶ会食(お斎) |
参加者 | 遺族、親族、故人と親しかった人々 |
意味 | ・故人を偲び、冥福を祈る ・故人の生きた証を語り継ぐ ・故人の魂を後世に伝える |
近年の傾向 | ・簡略化して法要のみ行う ・他の法要と合わせて行う |
備考 | ライフスタイルや社会状況の変化により、執り行い方も変化してきている |
以芳忌の意味
– 以芳忌に込められた想い
「以芳忌」とは、故人が旅立った後、七七日忌の五十日目に行われる法要です。
大切な人を亡くした悲しみは、時が経っても簡単に癒えるものではありません。それでも、私たちは少しずつ日常を取り戻し、前を向いて生きていかなければなりません。
以芳忌は、そうした中で迎える、改めて故人を偲び、冥福を祈るための大切な機会です。
七七日忌の中でも特に重要な意味を持つ日ではありませんが、故人を想い、感謝の気持ちを捧げる一日として、遺族は静かに故人を偲びます。
また、この日には、親族や故人と親しかった人々が集まり、共に故人を偲ぶことで、悲しみを分かち合い、心の支えを得る機会ともなります。
以芳忌は、故人の冥福を祈り、遺族が癒やしと慰めを得るための、静かで温かな時間と言えるでしょう。
項目 | 内容 |
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儀式名 | 以芳忌 |
時期 | 故人が亡くなってから50日目(七七日忌の中の一日) |
意味合い |
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位置づけ |
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