お墓の高級感を演出する「銀杏面加工」

お墓の高級感を演出する「銀杏面加工」

お墓の印象を決める土台部分

お墓を選ぶ際、多くの方は墓石のデザインや石材の種類に目が行きがちです。しかし、墓石全体を支え、安定感を保つ土台部分にも目を向けてみてください。土台の加工方法によって、お墓全体の印象は大きく変わります。

土台は、大きく分けて「巻石タイプ」と「芝台タイプ」の二つに分けられます。巻石タイプは、墓石の周りを石で囲む伝統的な様式です。周囲を石で囲むことで、雑草の侵入を防ぎやすく、管理の手間がかかりにくいという利点があります。また、重厚感があり、格式高い印象を与えるため、古くから多くの墓地に用いられています。一方、芝台タイプは、土台部分に芝生を植える、近年人気が高まっている様式です。石の面積が少なく、緑が多いことから、明るく開放的な印象を与えます。自然と調調和した、穏やかな雰囲気の墓地を希望される方に適しています。

土台の加工は、デザインや機能性だけでなく、お墓の雰囲気を大きく左右する要素の一つです。墓石を選ぶ際には、石材やデザインだけでなく、土台部分にも注目し、故人や家族の想いに合った、最適なものを選んでいきましょう。

銀杏面加工：その名の由来と特徴

墓石を建てる際、土台の加工方法に頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。数ある加工方法の中でも、特に人気が高いのが「銀杏面加工」です。

その名の通り、土台の角の部分を、秋を彩るあのいちょうの葉っぱのように、緩やかな段差をつけた形状に加工するのが特徴です。

緩やかな曲線で構成されたその姿は、和の雰囲気を感じさせ、どこか優しい印象を与えます。それでいて、シンプルながらも存在感を放つため、近年人気が高まっている加工方法と言えるでしょう。

銀杏面加工は、他の加工方法と比べて、土台に動きが出て、墓石全体を柔らかな雰囲気に見せてくれます。また、角が丸みを帯びることで、小さなお子さんや高齢の方が誤ってぶつけてしまうリスクを軽減できるというメリットもあります。

墓石のデザインや周囲の環境との調和も考えながら、最適な加工方法を選びたいものです。

高級感と耐久性を兼ね備えたデザイン

お墓のデザインにおいて、美しさと耐久性は、どちらも大切な要素です。銀杏面加工は、その両方を兼ね備えた、理想的な選択肢と言えるでしょう。

銀杏面加工の最大の特徴は、その名の通り、角を銀杏の葉のように滑らかに加工することです。これにより、墓石全体に柔らかく優しい印象を与え、高級感を演出します。直線的なデザインとは一線を画す、上品で落ち着いた雰囲気は、多くの方から支持を集めています。

さらに、この加工法は、見た目の美しさだけでなく、優れた耐久性も実現します。角に丸みを帯びさせることで、外部からの衝撃を分散し、土台部分への負担を軽減する効果があります。そのため、地震などの災害時にも、破損や倒壊のリスクを低減できるというメリットも。年月を経ても、美しい状態を保ちたいと願う方に、最適な加工方法と言えるでしょう。

他の土台加工：水垂れ加工

お墓の土台に施す加工には、銀杏面加工以外にも様々な種類があります。その一つに、「水垂れ加工」と呼ばれるものがあります。

水垂れ加工とは、土台の表面に緩やかな傾斜をつけることで、雨水などが自然と流れ落ちやすくする加工のことです。

お墓は屋外にあるため、雨風や砂埃にさらされがちです。特に雨が降ると、土台部分に水が溜まりやすく、苔やカビの発生の原因となることがあります。水垂れ加工を施すことで、土台部分を清潔に保ちやすく、美しい状態を長く維持することができます。

また、水はけが良くなることで、土台の劣化を防ぐ効果も期待できます。お墓を長く大切に守りたいと願う方にとって、水垂れ加工はおすすめの選択肢の一つと言えるでしょう。

他の土台加工：亀腹加工

– 他の土台加工亀腹加工

お墓の土台に見られる加工の一つに「亀腹加工」があります。これは、土台の側面を緩やかに湾曲させることで、亀の腹のような、柔らかな丸みを帯びた形状に仕上げる技法です。

直線的なラインが多いお墓において、この曲線は、どこか優しい印象を与え、穏やかな雰囲気を醸し出します。その柔らかな印象は、故人を偲ぶ心を包み込むかのような、安らぎを感じさせてくれるでしょう。

また、亀は古来より長寿の象徴とされ、縁起の良い生き物として親しまれてきました。その亀の腹に似せた加工には、故人が安らかで、末永くその魂が守られるようにとの願いも込められています。

シンプルながらも深い意味を持つ亀腹加工は、故人への想いを形にする、大切な要素の一つと言えるでしょう。